-第1章-（01.） ページ2
01.
.
花は咲き鳥は歌う春、都内でもトップクラスのセレブ学校である"聖ノ石(ひじりのせき)高校"では始業式が行われていた。
｢人を傷つける力はあっても、傷つけることなく｣
高校に併設された講堂に全校生徒が集められ、皆が生徒会長の始まりの挨拶に耳を傾けている。
｢人を動かす力はあっても、自身は石のように、動じることなく、冷たく、誘惑にも容易に乗らない。｣
柔らかく全てを包み込むような声に誰もが聞き惚れ、ステージに堂々と立ち朗読を行う彼女の姿に誰もが見とれていた。
｢そういう人は天の恵みを正当に授かり、自然の豊かな恵みを浪費から守る。｣
聖ノ石高校には美人が多いことで有名だが、その中でも彼女は群を抜いて美しい。
その美貌に男子生徒は虜にされ、女子生徒は憧れていた。
｢どんな美しいものも行い次第で不快極まるものとなり、腐敗した百合は、雑草よりはるかにひどい臭いがする。｣
そう言い終えると、彼女は静かに頭を下げ、講堂には大きな拍手が巻き起こった。
その拍手で、ある1人の男子生徒がハッと目を覚ます。
生徒会長の挨拶を聞かずに居眠りをしていたのは、きっと彼だけだろう。
欠伸をしながらも周りの空気を読み、小さく拍手をする。
そして彼はステージ上の生徒会長を見上げ、少しつまらなさそうな顔をした。
拍手も次第になくなり、生徒会長は静かにステージから降りる。
その後、理事長の長い話を聞き、始業式は無事に終わった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
