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土井side
あぁ、なんだこの状況は。
あぁ、息ができない。
あぁ、どうすればいい。
この私の指をぱくりと咥えるAくんを。
土井「っ………!」
温かい感触が指を刺激する。
なんだこれはなんという忍術なんだ。
いや落ち着け。落ち着くのだ土井半助。
土井「Aくん、もう大丈夫だから…」
『む…!』
咄嗟にした行動だったのだろう。
我に返った彼女の顔が、みるみる赤く染まっていく。
駄目だ駄目だ。そんな顔されたら。
溢れる。気持ちが、溢れて。
溺れてしまう。
『………ごめんなさい!』
慌てるAくんは、くるりと私に背を向けた。
それでも耳や、此方から少しだけ見える頬が真っ赤に染まっているのを見てしまうと。
腕を掴んで此方を向かせ
『どい、せんせ』
恥ずかしくて恥ずかしくて
涙目で真っ赤な頬をしたその顔に、
もう私の理性はそこで途切れて
その小さな唇に、口付けた。
『ん』
一瞬だったと思う。
合わさった唇が離れ、私はAくんを見つめた。
『…なんで』
溢れ落ちそうなくらい、目に涙を溜めて。
上目遣いで私を見るAくんは
もう、可愛い。可愛すぎる。
言わないと。
Aくんを想う、この気持ちを。
土井「Aくん、
君に言わなきゃならないことがあって…
聞いて欲しいんだが…」
『は、え』
「でも、ごめん。もう一度、したい」
そのままもう一度口付けて
抱きしめた。
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作者名:はな | 作成日時:2020年12月14日 12時