検索窓
今日:24 hit、昨日:31 hit、合計:140,082 hit

4 ページ5

◇土井side



さて、私は昼食の前に医務室へ寄ることにした。
目は覚めているだろうか。
今朝の事を覚えているだろうか。
そもそも私は何故こんなに考えているんだろうか。





「土井です。失礼します」






『はあーい』







新野先生ではない声にドキリとする。
どうやら目が覚めたらしい。
ガラリと障子を開けると、そこにはこちらを向く彼女の姿があった。





『土井先生〜!』
 




元気そうな様子にほっとして、彼女の前に腰を下ろす。




「Aくん、気分はどうだ?」




『すっかり元気です!なんか首痛いです』




「あぁ、寝てる間に首がすごい方向を向いていた
 から……いやぁ、驚いたよ。仕事を終わりで…
 って言ってたような気がするけど…」





どうやら追われている様子でもなかったなぁと、
今朝のことを思い出す。





『そうなんです。潜入捜査の仕事がやーーっと終わった帰りでヒャッハー!ってなってて、
そしたらうっかり転落してしまいました。』






ドジですよね〜あはは、なんて。
思い出したが、彼女・AAは忍としての身体能力は高く頭も良いので、忍務はきっちりこなす。
しかしそれ以外はそうでもない。




「はぁ…心配したんだぞ?万が一何かあれば……
 油断せず、気をつけなさい。」




怪我は勿論だが、彼女がプロくの一だとしても、まず女性なのだ。もしあのまま気を失っていたら、見つけたのが自分ではなかったらと思うと。




あぁ、恐ろしい。




「あ、それと学園長先生が菴へ来るようにと
 仰っていたぞ」




『はーい。やばいな怒られちゃうかなぁ』





どうだろうな、と笑い合った後
彼女はハッ!と気付いたように私の片方の手を両手で包み込み、




『助けてくださったのが
 土井先生で本当によかったです。



 ありがとうございます。』





「ん"!?」





なんともまぁそんな事をサラリと言う彼女に、
なんか変な声が出た気がする。




『もし盗賊にでも見つけられてたら、
 この巾着取られちゃうとこでしたよ』




チャリ、と小銭の入った巾着を上衣からチラッと見せてきた。あ、あぁそういうことか…






「あぁ、まぁ
 そういう事じゃないわけでもないけど…」






それでは!と、学園長先生の菴へと向かった彼女が


あとでお昼一緒に食べましょう!
職員室で待っててくださいね!


と、言いに戻ってきたのは僅か数秒後のことだった。






さぁ、お昼は彼女と何を食べようか。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
227人がお気に入り
設定タグ:忍たま , 土井先生 , 土井半助   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はな | 作成日時:2020年12月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。