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you side


どうやら私の話をしてるっぽいけど、当の私はなんだか置いてけぼりだ。


すると見かねた学級委員長・庄左エ門(だったよな)が、生徒と土井先生の間にググっと割って入った。



庄「皆落ち着いて!土井先生も!!
  Aさんが困ってらっしゃる!」



さすが、さすが学級委員長。
皆の動きがぴったり止まった!すごーい
それにしても皆ぜぇぜぇ言ってるけど大丈夫?



「「ごめんなさい」」


土「Aくん、すまない。あぁ、もう」



土井先生は頭をワシワシ掻きながら、なんとも気まずそうな顔をしている。
いいんですよ、なんかよくわかんないし。




『いえ!全然。皆も今度いっぱいお話ししよう。
 では…



 うわっ!』





私はこれで、と一歩踏み出したとき、
ズルンっと何かに足が取られた。
あ!!しんべヱの鼻水によだれか!

あぁ、天井が見える……頭しぬっ…




でもいつまで経っても、
私の後頭部が床にぶつかることはなかった。






「っと!大丈夫か、Aくん」





目を開けると、土井先生が私を受け止めていた。




さっきまであんなワーワー言ってたのに。
今は焦ったような表情で。




ねぇ、ほんとこの人、なんて端正なお顔してらっしゃるんでしょう……どうしよう、めっちゃ見てしま……





「「おぉ〜〜!」」



は組の良い子たちによる歓声で、はっと我に返る。
あっぶな!なにしてんの私。
慌てて体勢を戻し、土井先生から離れた。




『ごっ、ごめんなさい!
 土井先生、ありがとうございます』




「いや!無事でよかった。
 しんべヱがすまなかった」



なんとなく土井先生の顔を見れなくて。
というか今の自分の顔を見られたくなくて。
絶対変な顔してるし。


……いやまって、下向いたら鼻水とよだれまみれの足袋が見えるんですけど。
なんかちょっとドキドキしてたけど、もういいわ。
足袋だ、足袋。早く洗いに行こう。





『それでは本当に失礼しました。』



土「あぁ、ありがとう。気をつけて」




きちゃない足袋のせいで私のドキドキな気持ちは何処かへ去ってしまった。

でもこれだけは伝えておこう。



『私も、土井先生とお話ししたいですよ。

 ではでは』




土「え!?」




土井先生がなんて言ったのかよくわからないけど
まぁいいや。
私はよいしょとトイレットペーパーを大量に包んだ風呂敷を担ぎ、ぺこりと一礼しては組を後にした。




あぁ、でもやっぱり。



心臓が強く、早く、脈打つ気がした。

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設定タグ:忍たま , 土井先生 , 土井半助   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:はな | 作成日時:2020年12月14日 12時

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