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006..声とイケメンと立ち入り禁止 ページ7

チケットを胸に握りしめ、

やってきたのは、詳細の地図通りの“コンサート会場”。


――――先輩がこんな大きい所で歌うんだ以前に、

周りの人が華やかすぎて、あまりにも場違いだと感じてしまう。


しかし、帰って着替える時間はない。

先輩は結構早めに出番が始まってしまう。


まだまだ暑い日のことだ。

今からここで開催されるのは、某笑顔動画上の人気歌手による、

ETA・・正しく言うと人気歌手全員ではなく、

所属するのがEXIT TUNESの歌い手によるコンサート・EXIT TUNES ACADEMY。


先輩も初登場というわけだ。

―――ニコ厨だがこういうことに関して無知だった私は、
行きたいと思いつつも避け続けてきた登竜門だった。

しかし、


先輩と会ったあの桜の木の下で、


そして今日、


全てが―――私にとっての平凡が―――平凡でなくなった。


・・・初体験は、誰だって不安だ。

―――先輩もそうだろうが―――私は私だ。

今は、先輩の恐怖より自分自身の恐怖の方が恐怖である。


そう思いつつもきちんと伝えられた場所に向かって足を踏む私。

鼓動が高鳴る、周囲の視線が気になる。


男性比に対して女性比のほうが割に多く、今の私の周りなんて女性だけだ。

・・その中に、随分と骨ばった体格が駆けている。

――私がそれに気付くのも、

――その体格の持ち主がブレーキをかけるのも、

二人がぶつかった後だった。

周りの人が半ばの心配と半ばの馬鹿にしたような笑みで私たちを見つめる。

私の目の前の人は、頭を押さえて苦笑する。


「ごめんなさい、ごめんなさい。大丈夫ですか?」

どこかで聞いたことのある声だが、衝突の反動で記憶が飛んでいた。

「あっ、はい、大丈夫です;;スミマセン・・」

―――そう言ったが、その瞬間、向かいの男性に“ウソでしょ”みたいな目で見られる。

そりゃそうだ。擦りむいた膝からは血が滲んでいたのだから。


「っちゃ〜・・;;――ごめん、ちょっと急いでて・・今はこれでよろしく!!」

そう言って男性がハンカチを手渡すと、立ち上がって駆けて行った。


関係者以外立ち入り禁止の奥に、勢いよく―――・・。

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るな(プロフ) - ぎゃーーーーー涙がーーーーー (2014年8月29日 21時) (レス) id: 8d24367ff0 (このIDを非表示/違反報告)
羅意思 彩月 - 感動でジーンときました。 (2013年9月15日 21時) (レス) id: 8eceea9d47 (このIDを非表示/違反報告)
オワタ ミク(プロフ) - 面白かったです\(^o^)/泣けてくる話でしたー! (2013年2月28日 22時) (レス) id: 4e16a5c933 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 泣けました! 完結おめでとうございます! (2013年1月25日 4時) (レス) id: 30bc6ead24 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 完結おめでとう! (2013年1月24日 13時) (レス) id: d7db411825 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美音 | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2012年9月17日 18時

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