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_第16話_ ページ16

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 Aは俺の首に手を回す。


 手が震えてる。
 目の焦点も合っていない。
 それでもまだ余裕を見せようとするか。バレバレだが。



 「く、ろろぉ……」


 わざとらしい甘い声。
 それを聞いた俺は動きを止めた。


 ……興覚めだな。


 俺はAの上からどき、包帯を巻きなおす。
 先程の甘えた声は100%演技。
 落とそうと思っていたが、聞きたくもない声を聞いたことにより一気に冷めた。



 「悪い、用事思い出したから少し外出るよ」
 「そ、そう……」



 Aは残念そうに、でもどこかホッとしたように起き上がり、服の乱れを直していた。


 待て、どっちだ?
 俺を止めるためにわざと甘い声を出したのか?
 ……わからない。いつが演技でいつ本音が交じってるんだ。
 ムカつくな。


 いつまでも振り回されていることにイラつき、それ以上Aに声を掛けることなく部屋から出た。
 ホテルから出てしばらくし、シャルに電話を掛ける。



 「俺だ。招待状は確保できてるか?」
 『まだだよ? 予定では明日、入場前にって言ったじゃないか』
 「気が変わったんだ」
 『わかった。ターゲットの宿泊施設調べるから、後でかけ直すよ』



 シャルの返事を聞き携帯をしまう。
 明日の作戦は、シャルかマチのどちらかがちょっとした騒ぎを起こし警備員を引き付け、もう片方が主催者の気を引く。
 それまでに俺はAとはぐれ、混乱に乗じてホールから抜け出して宝を盗む。


 あの女に生かしておく価値はない。
 会場に入れさえすれば用済みだし、すぐに殺してもいいか。


 明日のことを考えつつフラフラと歩いていれば携帯が鳴る。
 シャルからだ。



 『地図送ったからそれ見てよ。あとついでにさ、俺たちの方のターゲットも同じ場所にいるみたいだから盗んでおいてくれない?』
 「あぁ、わかった。今夜手渡しでいいか?」
 『明日会場近くで落ちあうのでいいんじゃない?』



 昼間だと多分Aと行動しているだろう。



 「パートナーと行動しているから夜の方がいい」
 『抜け出せないの?』
 「ドレスも取りに行かなきゃいけないんだ」
 『ドレスなら取りに行かせればいいのに』
 「いいや、夜にしてくれ」



 夜にこだわる理由は自分でも分からなかったが、とにかく了承してもらい、招待状を盗みに行った。


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ぱるむ - 更新を待ってます。どうかよろしくお願いします!! (2020年7月29日 9時) (レス) id: 0d1397699c (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - Kさん» ありがとうございます!久々の更新となってしまってすみません……。少しずつでもちゃんと進めていくのでこれからもよろしくお願いします! (2020年3月26日 21時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - とても面白いです!クロロとの関係とかこれからどうなっていくのかなどめっちゃ気になります!これからも更新がんばって下さい!!応援してます! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 2e3805e445 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - ぱるむさん» コメントありがとうございます!このままゆるっと進めつつ、2人の駆け引きとか上手く掛けたらいいなと思ってます!恋愛初心者で変なところもあるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - すごく面白いです!!!こんな感じのクロロの小説を求めていたので、続きがすっごく楽しみです!!更新頑張ってください!! (2019年12月23日 9時) (レス) id: 0d1397699c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月20日 13時

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