＿第54話＿ ページ4
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いつもの修業を終え、自由時間中。
私は皆へのプレゼントをどうしようか考えるため、クロロの元から離れてお家の中を歩いていた。
プレゼントってどういうのがいいんだろう。
村の外で聞いたのは花の冠とか……。勉強の時に問題文で出てたのはハンカチとかだったなぁ。
贈り物……贈り物……。うーん……。
唸りながら歩いていると、角からヌッと黒い影が現れた。
「わっ！？」
「チッうるさいね」
驚いて声を上げると、黒い影……真っ黒な服を身に纏った人が私を見下ろしていた。
村にいた人……フェイタン、だっけ。
なんかこの人、すごく……怖い。
ずっと睨まれ、邪魔なのかなと思い廊下の端に寄る。
俯いて通り過ぎるのを待つが、フェイタンは私に近付いて来た。
すると髪の毛をガっと掴まれ、顔を無理やり上げさせられる。
「痛っ……！」
「お前、まだいたのか。もうとくに殺されてると思てたね」
フェイタンの口元は見えないが、目を細め笑っているのが分かる。
私の体は無意識に震え、固まる。
怖い。
今まで恐怖なんてものを抱いたことはあまりなかった。
同胞から殺される時も、物心ついた頃には慣れていたから、怖いとは思わなかった。
飛行船でクロロたちからご飯を渡された時も、お風呂に入った時も、恐怖ではなく嫌悪感だけがあった。
今この瞬間、初めて怖いという感情を理解した。
「ささとくたばるといいよ」
そう耳元で囁かれ、何事もなかったかのようにフェイタンは暗闇へと消えていく。
乱暴に離された頭がズキズキと痛むが、それ以上に突然現れた恐怖と、突然去って行った恐怖に頭が追い付かず、力が抜けてその場に座り込んでしまった。
激しい運動をしたわけでもないのに呼吸が乱れる。
血を抜かれてしまったかのように体が冷え、自分を抱きしめるように縮こまった。
強くならなきゃ。
殺される。
「A！ 大丈夫かい！？ フェイタンに何された？」
どれくらいそこにいたか分からないが、クロロの所へ戻ってこないのを心配したのか、マチが迎えに来てくれた。
「まち……。まち、まち……」
「うん、もう大丈夫。怪我はない？」
駆け寄ってきたマチに縋るように抱き着くと、優しく抱っこしてくれた。
鼻を掠めるマチの匂いにホッと落ち着きを取り戻す。
強く、ならなきゃ。
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続く (更新停止中)
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伊波トウナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！続き楽しみにしてます！ (7月8日 21時) (
レス) @page4 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！休載×休載の夢なので、気長に待ちます！過保護な団長かわいい､､､ (2022年8月12日 0時) (レス) id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
かきんときん - 最高の話に出会ってしまった…!!長編覚悟??むしろウェルカムです!! (2021年6月12日 17時) (レス) id: 53524f642c (このIDを非表示/違反報告)
なめなめきゃんでぃ(プロフ) - 話どタイプすぎます！！！更新待ってます！ (2021年4月14日 1時) (レス) id: ed253bb936 (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いて色んなもの読み漁ってる中でやっと出逢えた､､､!って感じがしました、！！！続き楽しみにしてます！ (2020年12月15日 22時) (レス) id: 6b14e12bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジユウジン | 作成日時：2020年11月23日 22時
