_第8話_ ページ8
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しばらく続けていると、さすがに疲れたのか地面に手をついて休み始めた。
私はボールを歩美ちゃんに返し、公園を出て自販機で飲み物を買った。
「皆オレンジジュース飲める?」
「うん!」
歩美ちゃんが元気よく返事をし、買ったものをあげた。
男の子二人は呼吸を整えてこちらを見上げる。
「はい、2人にも。ごめんね、付き合ってもらっちゃって。私は鶴岡A。皆も良かったら名前教えてくれるかな?」
「ありがとうございます。僕は円谷光彦です!」
「俺は小嶋元太! お姉さんひでぇぞ、いきなりボール取ってよぉ」
2人はジュースを受け取りながら自己紹介してくれた。
「光彦君と元太君ね。ごめんね、暇だったから一緒に遊びたかったの!」
「おう! 楽しかったからいいぞ!」
「あ、歩美ちゃんって呼んでたけど、あってた?」
「うん! 吉田歩美だよ!」
よかったよかったと言いながら服に着いた土を払ってあげる。
「皆よくここで遊んでるの?」
「はい! お姉さんはこの辺に住んでるんですか?」
「うん、少し前に引っ越してきたんだ」
「この辺の事なら歩美たちよく知ってるよ! 案内してあげようか?」
あー、それもいいな。
毎回地図見るのも面倒だし、この辺の地形を覚えるのもありか。
まさかこんな生活圏内に黒の組織がいるとは思えないけど、まぁ会えたらラッキーだしね。
時間を確認すると、17時前だ。この子たちの門限が何時かはわからないけど、早めに帰したほうがいい。
「じゃあお願いしてもいい? でも今日は時間ないし、もし休日に時間あったらお願いしたいな?」
「今週の土日、どちらも空いてますよ!」
「俺も空いてるぜ!」
「歩美も!」
そういうことで、3日後の土曜日、10時にこの公園待ち合わせということで決まり、ちょうどチャイムが鳴ったので3人は帰宅した。
私は少し遠回りをするようにして家に帰る。
いくら案内してくれるとはいえ、迷子にならないとは限らないからだ。
その日の夜、お酒を飲みながら月を眺めた。
予定では満月だが、まだ形は少し崩れている。
やはり、日本から見る月が一番綺麗だと思った。
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メリエリ(プロフ) - 凄く面白いです!続き楽しみに待ってますよー! (2021年6月3日 22時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2020年10月19日 21時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月21日 17時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - がんばってください! (2020年4月21日 17時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - 桜さん» 本当ですか! 更新スピード遅いですが頑張りますね、ありがとうございます! (2020年4月18日 21時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジユウジン | 作成日時:2020年4月7日 15時