生きる理由を無くした少女のお話。《文スト》

お話じゅうはち。 ページ18

『まだ、聞きたいことありますか...』

「その右目の包帯は」


あぁ、此れですかとAは包帯を軽く押さえながら

『フェージャがその目は目立つからと、』


太宰は訳が解らなかった。

元々彼女は両目だった、怪我をした訳じゃないなら......

それが再会して片目に包帯が巻かれている。


しかも、

知らないやつの命令で



「...その人は、君の何だい？」


『フェージャは私の恩人です、

私は彼に着いていきます』



Aは冷たく淡々といい放った



″変わってしまった″

もう前の彼女ではない、そう解っているのに
解ろうとしてるのに......


太宰は変わってしまった大切な人を

理解できない。




「君は...そんな目をする子じゃなかったのに」



『一度全てを無くせば変わらずにはいられませんよ』



貴方だって、と言われるが太宰は

答えられない



全てを無くしたわけではなかったからだ。

大切な友人を、救えなかった。

その代わりに、
生きる理由を、
導きを、





でも彼女は、Aは


本当に全てを失った



感情も、生きる理由も、何より




最愛の家族(じんぶつ)を


───一度に全て────────────




「ｯ...」



どれだけ悲しかっただろう、

どれだけ苦しかっただろう、


それでも感情を忘れたAは


涙を流すことも、声をあげることも



″出来なかった″のだろう？








太宰は顔を歪ませて、下を向いていた。







─────────────────────

注意!!


織田作とAちゃんは家族ではありません。

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今日の文豪！

夏目漱石

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