何者かは彼だけが知る41 ページ43
空港に着くと彼はそっけなく飛行機のチケットを手渡してきた。大阪に着く飛行機なのに変わりはないが時間が夕方から朝になっている。
はやくいけと言わんばかりにゲートを指さされたのでそそくさと俺は移動してゲートへと...
「A」
グルさんに呼び止められ振り向くと戦争屋特有の狂った笑みをこちらに向けて来た。
「どこの知事かは知らんが次からは容赦せんぞ」
「お手柔らかにお願いしますよ。...余裕ぶってるのも今のうちですけどね？」
後半は威圧するように低い声で言うと面白いと彼は呟いて踵を返して手を振りながら去っていった。
これでもう俺らは友人ではなくなる。俺は飛行機に乗り込んで北海道に別れを告げた。
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飛行機で移動している最中、スマホが振動した。俺はすぐさま通知を確認した。職員からで案の定
『宮崎県と鹿児島県に宣戦布告されました』
という報告だった。
俺は軍の行動を指示しながら昨日の朝ごろに訪れた北海道の核施設のことを思い出していた。
明らかに緊急で作られた施設で、人の出入りも激しくバタバタしていたことから「まだ研究を始めて間もなく、準備も万端でない」と判断した俺は施設の外れの方で1人、タバコを吸っていた職員らしき人を失神させ服装を借りて潜入ごっこを敢行したのだ。
あれは楽しかった。北海道旅行のお土産話ができたので最終決戦前のパーティーに話そう。
俺はあくびをして、大阪に着くまで寝る事を決めた。
眠りにつく寸前で俺は一言呟く。
「グルさん、怒るだろうな」
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「ハァ！？？？」
俺は大絶叫して再度昨日の核施設の監視カメラを見るが、結果は変わらず1人の青年が笑顔で職員を気絶させてコントロール室をめちゃくちゃ弄ってる動画が再生されていた。
笑顔で機械を弄っているのは職員の正装をしているが明らかにAである。
次に彼は機械室へ移動しすぐさま部屋にいる職員を気絶させてスパナでコード配列盤をこじあけてありとあらゆる線を繋ぎ変えたり切ったりしたあと、思い出したかのように監視カメラ、つまりこちらを向いた。
彼はこれまでの笑顔とは異なる、狂気を含んだ笑みをこちらに振りまく。息を呑んだが笑顔は一瞬で終わり、つまらなさそうに部屋を出ていった。
彼は何者なんだ。知事だというのは分かったが戦争に興味がないのに核施設に平然と侵入している。何が彼を動かすのか、俺は首を捻った。
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わらび餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも、主人公の行動力の高さを尊敬し、メンバーとの絡みは楽しく読ませていただいています！何者かは彼だけが知る41で多分、誤字だと思われる文がありました。下から、空白を合わせて17行目の文の機械が機会になっていました。長文失礼しました。 (2021年3月1日 15時) (
レス) id: 388ad0ca6a (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。更新再開めっちゃ嬉しいです!!応援してます。体調には気をつけて頑張ってください。 (2021年1月18日 21時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
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