何者かは彼だけが知る38 ページ40
しかし、再び電話がかかってくる。「...緊急みたいですね、電話してきます」と彼は申し訳なさそうに笑って席を外す。
次の肉でも焼いておこうと生肉の皿を持ち上げた瞬間部分部分しか聞こえないがそれでも違えようもない、Aの焦った声が聞こえた。
「__前線が構築_____宣戦布告____」
「！？」
驚いて振り返ったが彼は店を出ていた。いや、しかし今の単語は...
俺は急いで職員に連絡して北海道の前線を確認させた。しかしどこも変化はないと言う。
「...北海道の前線ではない？では...」
旅行にきてるのだからその旅行地である北海道の前線を気にするなら分かる。だがそうではないらしい。しかも宣戦布告というワードが飛び出てきた。
黙り込んでいると「お待たせしましたー」と小走りで彼は帰ってきた。何事もなかったかのように焼けた肉を箸で持ち上げて電話前と同じように頬張っている。
「...？グルさん大丈夫ですか？」
「あ、あぁ...俺はもう食べないから全部食べて良いぞ」
慌てて返すと心配そうにみていた顔はパッと明るくなり「やったぁ」とどんどん皿に肉を運んでいく。
果たしてこんな平和の塊のような人物が戦争の最前線で戦う役職の知事であるのか。
俺はとりあえず明日にでも聞こうと心に決めて幸せそうな表情でジンギスカンを食べるAを眺める事にした。
______
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「宮崎、鹿児島と福岡の県境に双方、軍が展開され前線が構築？それは福岡に対する宣戦布告の準備では？」
俺は耳を疑って外に出ながら内容を口に出して確認する。何やら残る2県が福岡との県境に軍を展開し始めたようだ。嫌な予感がする。とりあえず指示を出して電話を切りグルさんの元へ戻る。彼は何かを考えているようだった。...話を聞かれてたのだろうか？
しかしそんな疑問より先に目の前の夕食を片付けたいと脳は判断して手は自動的に肉を確保しに動く。彼はもう入らないそうなので手早く食べてしまおう。
夕食を終えて部屋に戻るとすぐさまスマホで職員に電話する。部屋は盗聴器などを一応確認したが見つからなかった為普通に話す。
「じゃあ俺が県庁にいない事は知らずにか...どのぐらい持つ？夕方までいける？なら任せようかな？」
寝る準備をしながら会話を進め、最後に「着いたら報告するんでそれまでお願いします」と締め電話を切る。シャワーだけ浴びようと移動し気づく。
誰か、廊下にいる気がする。
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わらび餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも、主人公の行動力の高さを尊敬し、メンバーとの絡みは楽しく読ませていただいています！何者かは彼だけが知る41で多分、誤字だと思われる文がありました。下から、空白を合わせて17行目の文の機械が機会になっていました。長文失礼しました。 (2021年3月1日 15時) (
レス) id: 388ad0ca6a (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。更新再開めっちゃ嬉しいです!!応援してます。体調には気をつけて頑張ってください。 (2021年1月18日 21時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
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