甘味の大地、探訪記37 ページ39
「グルさん、おはよう御座いますー」
約束の時間にホテルで待ってると彼はあくびをしながら俺を見つけて近づいてきた。
随分と眠そうだが寝れなかったのだろうか。
2人で朝食を摂るためにホテルを歩きながら聞いてみる。
「眠そうだが寝れなかったのか？」
「いや、寝れましたよ。けど朝っていくら寝ても眠いんですよね...」
「分かる」
深く頷いて同意する。しかも今は冬だ。暖かい布団から出るのを躊躇うと時間が飛ぶように過ぎていく。
納得しながら彼をチラリと見た。彼は俺が昨日渡したパンフレットを見ながら目を輝かせている。
朝食も「あれもこれも」と北海道名物を大量に口に放り込んでいた。苦笑しつつ、ふと思ってしまう。
...彼は一体何者なのか。今のところは怪しいそぶりも見ていない。やはり彼は一般人であって調査はただスパイが失敗しただけなのだろうか。飛行機も大阪発だったから大阪住みの一般人だろう...
朝食を終えて俺らは車に乗り込む。今回は遠出をしてスイーツを食べ回る。
「お昼も考えなきゃですね...」
「何が食べたい？」
聞くと、「昨日と今日の朝に大体の北海道名物は食べ尽くした気がしますし...」と悩んでいる。
「海鮮丼とか食べるか？」
「海鮮丼！いいですねー！」
声のトーンが上がった。「たしかに北海道といえば海の幸でしたね、忘れてましたー」と、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しながら彼は早速ネットで美味しい店を調べ始める。
そこからしばらく車で移動し、2日目のスイーツツアーが始まる。ソフトクリームから始まりそこから様々な種類のパフェを数店舗で食べ比べ、チーズケーキ、クレープ、スイートポテト...お昼の海鮮丼を挟み再び怒涛のパフェ連鎖。
「カロリー摂取絶対今日一日で凄いことなってますね」
「明日も食べるぞ」
「健康大丈夫かな...」
明日は最終日、彼は夕方に飛行機で帰る予定だ。
夜のジンギスカンを食べながら2人で会話していると彼の携帯電話が鳴る。彼は「すみません」と通知を確認して切った。
「出なくて良いのか？」
「大丈夫です」
俺は通知を確認した時に一瞬鋭い眼光になったのを見逃さなかった。聞いてみるが緊急じゃないだろうし後でかけるという。
本人が平気と言っているので言及せずに再び食べ始めた。
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わらび餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも、主人公の行動力の高さを尊敬し、メンバーとの絡みは楽しく読ませていただいています！何者かは彼だけが知る41で多分、誤字だと思われる文がありました。下から、空白を合わせて17行目の文の機械が機会になっていました。長文失礼しました。 (2021年3月1日 15時) (
レス) id: 388ad0ca6a (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。更新再開めっちゃ嬉しいです!!応援してます。体調には気をつけて頑張ってください。 (2021年1月18日 21時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
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