関東と異端者30 ページ32
俺はその差し出された手を取る。
「福岡県で知事をしてます、Aです宜しくどうぞー」
にっこりと自己紹介すると驚いたように顔をガン見する埼玉知事。何か顔に付いているのだろうか。
「異端者...」
「北海道殴りに行ってきます」
北の大地発案の異端者呼びが関東でも広がっているのか、埼玉知事は一言そう呟く。即座に反応して部屋を出ようとしたが引き止められる。
「いやそうじゃなくて！福岡県知事が怖そうなイメージだったので、予想より接しやすくて...」
「そりゃ『異端者』とかいうあだ名付けられてポジティブなイメージ与えられると思いますか？」
「...そうだね」
素直に肯定された。異端者のイメージは相当なようだが、今度の甘味ツアーで彼のデザートにこっそりタバスコでも入れておくしか復讐の手段がない。
「えっと、福岡君は関西広域連合と軍事同盟結んでるんだよね？」
「ざっくり言うとそうですね、正確には『北海道に対抗する』という目的で組んだ物です」
「北海道に...？じゃあ北海道側につくことは無いってこと？」
「え？埼玉さんは北海道側につくんですか？」
そう逆に質問すると目が泳いだ。これは...と思い、畳み掛ける。
「もし同盟組むなら『北海道側につかない』ことを宣言していただかないと」
「いや、実はまだ決めてないんだよね...」
観念したように彼は話し始めた。その言葉を一瞬疑ったが顔を見るに真実のようだ。
「最近北海道が凄い勢いで進軍してて、埼玉とももうすぐで緩衝地帯が無くなって直接面するんだよ」
「関西広域連合さんももうすぐ北海道とぶつかるんですよね...どちらにせよ立場をハッキリさせるのは早めにしたほうが宜しいですよ」
「...グルッペンに付くと大抵良いことないんだよね」
「あー...」
俺と埼玉知事は北海道知事のグルッペンさんを思い浮かべた。
あの政府が崩壊した日、乗っ取ったテレビに出ていた彼は心底楽しそうに戦争開始を宣言していたのだった。何故政府機関は突然姿を消したのか、恐らく彼が関わっているのだろう。
「...分かった、埼玉は関西広域連合と同じく北海道に対抗する」
彼は政府機関崩壊の原因を考えていた俺に突如はっきり宣言した。俺はその言葉で思考するのを止めて同盟の書類を引っ張り出し、サインする。
「じゃあこれどうぞ」と書類を彼に持たせて俺は時計を見る。もう昼すぎである。食堂でも行こうとサインする埼玉知事を横目に足早に部屋を出た。
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わらび餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも、主人公の行動力の高さを尊敬し、メンバーとの絡みは楽しく読ませていただいています！何者かは彼だけが知る41で多分、誤字だと思われる文がありました。下から、空白を合わせて17行目の文の機械が機会になっていました。長文失礼しました。 (2021年3月1日 15時) (
レス) id: 388ad0ca6a (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。更新再開めっちゃ嬉しいです!!応援してます。体調には気をつけて頑張ってください。 (2021年1月18日 21時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
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