北の異端者14 ページ16
「...」
重苦しい雰囲気が流れる。
カフェはとても賑やかで話題の店というわけで満席だ。俺らが来たときも凄い行列だった。そこまではまだ理解できるだろう。
ここからが問題だ。カフェには見慣れた姿があった。言うまでもなく甘党のグルッペンである。彼はすでに席につき一人でくつろいでいた。互いに何でいるんだという表情をしていたところ店員が
「相席も可能ですよ」
と知り合いと見越したようで半強制的に俺らはグルッペンと相席になってしまったのだ。こんなもん予想出来るか。
「...とりあえず何か頼みますか」
福岡さんは気にせずにメニューを見始める。グルッペンは先にいたものの飲み物しか頼んでなかったようで揃って福岡さんのメニューを覗き込み考えている。
「な...トントンさんはどうしますか？」
一瞬「奈良さん」呼びになりそうだったが横の北の異端者を配慮した福岡さんがメニューを見せてきた。
俺は首を横に振り「コーヒーだけでええ」と返すと真向かいに座っている福岡さんと福岡さんの横に座るグルッペンが身を乗り出して
「「コーヒーだけ！？」」
と揃って抗議してくる。グルッペンが手を挙げて店員を呼ぶと福岡さんが「なんならコーヒーパフェにでもしてやりましょう」と勝手に俺のコーヒーをパフェ化する。慌てて「せめて飲み物を付けてくれ」と言うと仕方なさそうにコーヒーも追加した。
「オスマンさんは？」
「このケーキセット一つ」
「あぁ、小さいケーキのセットですか...それいいですね...うーん...シフォンケーキで」
「セットじゃないんかい」
後はグルッペンだ。斜め横を見るとまだ悩んでいる。決まってないのに何で手を挙げたんだ。
「シフォンケーキ...でもショートケーキも捨てがたい...うーむ...」
ブツブツと言っているがその二つで迷ってるらしい。横の福岡さんがすぐに「シフォンケーキ食べたいなら分けますよ」ととても優しいお言葉をかける。
「本当か！じゃあショートケーキ！」
「...以上で...」
俺はそう注文を締めくくった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わらび餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも、主人公の行動力の高さを尊敬し、メンバーとの絡みは楽しく読ませていただいています！何者かは彼だけが知る41で多分、誤字だと思われる文がありました。下から、空白を合わせて17行目の文の機械が機会になっていました。長文失礼しました。 (2021年3月1日 15時) (
レス) id: 388ad0ca6a (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。更新再開めっちゃ嬉しいです!!応援してます。体調には気をつけて頑張ってください。 (2021年1月18日 21時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
