第172話 桃の酸いも檸檬の甘さも ページ24
『びっくりしたぁ……もう少し静かに入って来れないかなぁ』
万次郎「A……オレ、オマエに電話したんだけど」
『電話…?……あ、ゴメン。携帯、部屋に置きっぱだわ』
ジト目で私を見下ろすマイキーに、「ゴメンってば。そんなに怒らないでよ」と微苦笑を浮かべれば、「で?なんで千冬がいんの?」とマイキーの視線が千冬に移った。
松野「え…えっと……」
『……千冬、私に告白しに来たんだって』
万次郎「はぁ?」
松野「ちょっ、Aさん!?何言い出すんスか!?」
許せ…千冬……これが一番、マイキーの機嫌を素早く直す方法なんだ。
マイキーは、私と千冬を交互に見たあと、「Aはどっちが好きなの?」と、居間に足を踏み入れ、私の隣に腰を下ろした。もちろん、私は「マイキー」と間髪入れずに、答える。すると、マイキーは「だよなぁ!」と得意げに笑って、私の肩を自分の方へ抱き寄せた。
万次郎「残念だったな、千冬」
松野「いや、オレ別にAさんに告白しに来たわけじゃないですからね…!?(Aさん、オレをダシに使いましたね…)」
『(ゴメンね…千冬……今度お詫びにペヤング買ってあげるから許せ)』
心の中で千冬に謝罪をして、私はマイキーにもたれかかって、マイキーの手を握って遊ぶ。「手…大きいよね」と言う私に、マイキーは「Aの手が小せぇんだよ」と笑って、私の手を握り返した。
松野「(この二人……オレがいること忘れてるな……)じゃあ、オレ……そろそろ帰ります。お二人の邪魔はできないので」
万次郎「おう。じゃーなー」
『……千冬』
松野「はい?」
『ありがとね』
松野「いえ!それじゃあ、失礼します!」
マイキーにもたれながら千冬に手を振れば、千冬はペコペコと頭を下げて居間を出ていった。
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れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時