検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:7,239 hit

淡雪の世界に溶け込む−2 ページ13

今日は、町から外れた村に潜む呪霊を祓うために、富山まで足を運んだ。悟の仕事だから、どんな上級呪霊が潜んでるのかと思えば、なんてことない下級呪霊だった。私でも祓える程度の呪霊に、何故悟が派遣されたのか……もしかして、雪が見たいって言った私のためにこの仕事を引き受けてくれたのだろうか…………なんて考えが、一瞬頭に過ぎったが、悟に限ってそれはない。そんなことを口にしようものなら、「自意識過剰にも程があるね。僕がオマエなんかのために、わざわざ仕事を調整すると思ってんの?」と言われるに違いない。だから、お花畑思考は即座に捨てることにした。
考え事をしながら歩く私に顔を向けて「はぐれんなよ」と私の一歩前を歩く悟に「じゃあ、手繋いで」と言えば、「嫌でーす」と即座に断られた。
はぁ?ウッザ。手ぐらい繋いでくれたってええやん。これではぐれたら焦るくせに……。
苛立ちがおさまりそうになかったため、私は地面に積もった雪を丸めて悟に向かって投げる。もちろん、その雪玉が悟に当たることはなく、私の苛立ちを増幅させるだけだった。

五条「バーカ」

『っ…!ウザい…!』

五条「またそうやってすぐウザいって言う」

『だって、ウザいもん……』

五条「……宿に戻ったら嫌ってほど構ってあげるから機嫌直してよ」

『……いい。別に構って欲しくないし』

不貞腐れて顔を背ける私に、悟は「あっそ」と冷たく返して、サクサクと雪を踏んで先を歩いていった。私はその後をとぼとぼ歩いて、悟の後に続く。
…………白い。
周りの景色も、前を歩く悟も、私の視界に広がる全てが白かった。
人より色素の薄い悟は、街を歩くだけで目立つ。まぁ、目立つ理由はそれだけやないけど……でも、この銀世界では違和感を感じさせないくらい溶け込んでいる。まるで───このまま消えてしまうのではないかってくらい…………。

『っ…!』

五条「おっと…!」

淡雪の世界に溶け込む−3→←淡雪の世界に溶け込む−1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セイラ - すみません、こちらの方から失礼します。 東京リベンジャーズの、二人の愛は茨の道の方のパスワード教えていただいてもよろしいですか?! (2022年3月3日 23時) (レス) id: 776270c83e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セシル | 作成日時:2022年2月24日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。