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第253話 苦しみと潮位とあおい煙だけをその身に纏え ページ5

千咒「よーし、次行くぞ!花垣、A姉!」

花垣「えー!!?まだ!?」

『…………ごめん、千咒。私、そろそろ帰らなきゃ』

試着室から出てきた千咒は、「そっかぁ」と残念そうに肩を落とした。「また、会えるよな?」と不安げな表情を浮かべる千咒に「きっとね」と笑顔を浮かべる。

『それじゃあね、タケミっち。立場上、何も協力できないけど、無理だけはしないでね』

花垣「はい…!Aさんも、お体にはお気をつけて」

『ありがとう』

千咒「じゃあな、A姉!気をつけて帰れよ!」

大きく手を振る千咒に手を振り返して、私は2人とは反対方向へ足を進める。2人の姿が見えなくなった事を確認して、私は路地裏に入って、その場に蹲る。

『ゲホッ…!ゲホッ…!』

込み上げてくる咳を手で押え、空いているもう片方の手でカバンの中を探る。
こんな日に限って薬を忘れるなんて最悪だ……どう伝えても、マイキーに怒られる未来しか見えない。
起きてしまった発作を自分で抑える術がわからず、ただひたすら咳き込んでいたら、「大丈夫か?」と声をかけられた。
顔を上げると、そこにいた見知った顔に、私は思わず目を丸くする。相手も同じで、これでもかってくらい目を見開いた。

『か…鶴蝶君…?』

鶴蝶「美玖琉さん……」

『な…何で……ゲホッ…ゲホッ…!』

鶴蝶「……とりあえず、場所を変えよう」

鶴蝶君は有無を言わせず、私の事を背中に背負って、その場から離れた。

第254話 なんてやさしい獣→←第252話 あなたのいない花いちもんめ



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ひめか(プロフ) - 面白くて見てたら更新停止(泣)続きが出てくるのを待ってます! (10月20日 0時) (レス) id: d30a0c4a49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに読みに来たのですが、完結までの続きを読めるのゆっくり待ってます (2023年2月2日 23時) (レス) @page12 id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
らる - 何回読みな返したか分からないくらい大好きな作品です! (2022年10月23日 21時) (レス) @page12 id: 2d3739eeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆいみ - Twitterの事とかなんにも知らなくて、けどこの作品すごく好きなのでまた見られるようになって嬉しいです! (2022年3月25日 12時) (レス) @page7 id: 4903ed4ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2022年3月21日 20時

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