第216話 甘美で苦渋、繊細な眼差し ページ18
目が覚めると見慣れた天井が視界に入った。ゆっくり起き上がると、「目が覚めたのか」という声が聞こえ、声のした方へ顔を向ける。
『オミ君……』
ベッドの近くの椅子に座っていたのは、明司武臣君。オミ君は起き上がった私を見て、「顔色は戻ったな」と小さく笑みを浮かべた。
『…ここは……？』
明司「オマエの部屋」
『……マイキーは…？』
明司「さぁな。まあでも、夜には戻ってくるだろ……美玖琉の事、心配してたぞ」
『……嘘……マイキーが私の事…心配してるわけない……“今”のマイキーは…私の事…自分の所有物程度にしか思ってない……所有物が逃げ出したから、部下を使って連れ戻す……“昔”のマイキーだったら…血相変えて捜しに来てくれるもん』
明司「……人間…誰しも過去には戻れない。いつまでも過去に縋ってねぇで、今のマイキーと向き合え。それがオマエの役目だ、美玖琉」
『…………タケミっちだったら……過去に戻れるのに』
明司「？悪ぃ…よく聞き取れなかった」
『……ううん。なんでもない───ねぇ…オミ君。オミ君なら、私を殺せる？』
明司「は？」
『三途にお願いしたら、断られちゃった』
明司「……美玖琉、オマエの事を慕ってくれている奴の前で、簡単に命を捨てようとするな」
『……みんなが…私に優しくしてくれるのは……私がマイキーの妻室だから……私の事…慕ってくれてるわけじゃ……』
明司「梵天の首領の奥方……たったそれだけの肩書きで、アイツらが付き従うと思うか？」
まるで小さい子供に言い聞かせるように、私の目線に合わせて屈むオミ君から私は咄嗟に目をそらす。
明司「美玖琉…………命は大事にしろよ」
第217話 鮮やかな憂鬱→←第215話 巡りゆく季節が、いつか二人を変えていった
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瑠李(プロフ) - いつも楽しみにみています(*^^*)応援してます。頑張ってください。 (2021年12月14日 2時) (
レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - いつも楽しみに見てます！！今後がとても気になりました (2021年11月19日 19時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
まいこりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！ (2021年11月9日 18時) (レス) @page41 id: 580e720842 (このIDを非表示/違反報告)
名無し28468号(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！！ (2021年10月4日 6時) (レス) id: 6546ee49f0 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - ぱむむさん» ありがとうございます！私も個人的に梵天のマイキーのメンヘラヤンデレ感がすごく好きで絶対話に入れたいと思ってました（笑） (2021年9月10日 18時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2021年8月31日 11時
