FILE.110 1000カラットの付加価値 ページ11
『……携帯…ありがとうございました』
風見「いえ……」
通話の切れた携帯をAさんから受け取れば、Aさんは再びソファーに横になり、ブランケットにくるまった。
風見「余計なお世話かもしれませんが……寝るのであれば、寝室に戻ってはどうですか？」
『……動く気力がでないの』
風見「でしたら、氷枕を用意します」
『……なんだ…寝室に運んでくれないんだ』
風見「降谷さんの彼女である貴方に、触れるわけにもいきませんから」
『律儀なのね……風見さんだっけ？』
風見「はい。風見裕也です」
『氷枕、寝室に置きっぱなしだから……それ、持ってきてもらっていい？その扉から寝室に行けるから』
風見「わかりました」
表情は無表情だが、降谷さんとの電話で少しは警戒心が薄れてくれたのか、先程のようなトゲは感じられなくなった。
いや、それより……本当に寝室へ入ってもいいのだろうか──少し気が引けるが、氷枕を取ってきて欲しいと、Aさんに頼まれたのだから、仕方がないか。
Aさんに言われた扉から寝室に入れば、シックなデザインでまとまった部屋が視界に広がった。その中央にあるベッドの枕の上にある氷枕を手に取り、寝室を出る。すると、そんな俺を見て、Aさんは目を丸くさせた。
風見「どうかされました？」
『……てっきり、色々探るかと思ってたから……』
風見「なるほど……試されていたんですか──確かに、貴方は組織の中でも重要人物。降谷さんから貴方とお付き合いをすると聞いた時は、何度も降谷さんを止めました。何れ殺されると……でも、貴方と降谷さんの先程の会話を聞いて、貴方は本当に降谷さんを愛しておられるのだと感じました。だから、私も貴方を信じてみようと……」
『……盗み聞きなんて、悪趣味よ』
風見「聞こえたのだから仕方がないでしょう……氷、新しいものに変えます」
『……お願いします』
FILE.111 色彩の本音はまやかし→←FILE.109 真昼の密室
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラブリー - タイトルに惹かれたので見に来たら最初からページがなくてみれないです🥲 (12月2日 17時) (
レス) id: 0fb8342324 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです!!安室かっこいいです！ジンも好きなので色々と複雑ですね…。ゼロの日常も混ざっていて凄く最高でした！続き楽しみにしています！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セシル
| 作成日時：2019年2月21日 8時
