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第四十四話 現実的な理想郷に住む ページ45

鷗外「先日云っていた某企業との会食の件なのだけれど、やはり今週末は厳しそうでねぇ」

紅葉「だから、3日に済ませておけと、私は云うたのじゃ」

そう云って、机をバシバシと叩く姐さん。ワタシは中也の隣で欠伸を噛み締めながら、携帯を弄る。

中原「でしたら、候補は15日が適切かと」

鷗外「そこはねぇ、エリスちゃんを買い物に連れて行く約束なのだよ」

中原「ああ。それは致し方ありませんね」

鷗外「でしょう?」

紅葉「これ、中也。甘やかすでない」

『──じゃあ、20日は?』

鷗外「そこは、Aちゃんと夜御飯(ディナー)の約束だろう?」

『……ワタシの事はお気になさらず、仕事をして下さい』

鷗外「企業との会食より、娘との夜御飯の方が大切だよ」

あわよくば、無くなれば好都合と思って提案したが、矢張り此の人は忘れていなかった。
チッと包み隠さず舌打ちをこぼせば、中也に頭を叩かれた。

『痛っ……何するのよ、中也』

中原「手前が舌打ちなんかするからだろうが……首領に失礼だろ」

『……御父様はワタシが舌打ちしたくらいじゃ怒りませんー』

鷗外「Aちゃんの舌打ちは、一種の愛情表現だからねぇ」

中原「首領、Aの事を甘やかさないで下さい」

ベーっと、中也に向かって舌を出せば、中也に頬を抓られた。

鷗外「ああ、ごめん。一寸(チョット)電話しても善いかね」

紅葉「ん?早急の用事なのかえ?」

鷗外「喉渇いたからお茶、広津さんに持ってきて貰おうかと」

紅葉「しばくぞ」

鷗外「お茶だけに?判った判った。三人の分も用意させるから。何茶にする?」

紅葉「おや、話が判るのぅ。私は梅昆布茶」

『ワタシ、紅茶』

中原「珈琲で」

鷗外「中也君、それお茶じゃないよ〜」

立原「(なに、このゆるふわ会議)」

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瑠李(プロフ) - どころ所敦が淳になっています。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: d8c6f7f40c (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - きな粉もちさん» そんな勿体ないお言葉ありがとうございます!!とても励みになります(T_T)これからもよろしくお願いします!! (2016年6月19日 0時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - もう大好きです!他の作品も読ませていただきました。どれもとても面白かったです!続きが気になりますがご自分のペースで更新して頂けたらな、と思っております。無理せず頑張ってください!私も陰ながら応援させて頂きます! (2016年6月18日 2時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - パティーさん» ありがとうございます(T_T)そう言ってもらえるなんてとても光栄です!今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月9日 16時) (レス) id: 87ed51745e (このIDを非表示/違反報告)
パティー(プロフ) - 新作おめでとうございます(>ω<)セシルさんの作品&中也くん大好きなので今後の展開がとても楽しみです!!陰ながら応援しております!! (2016年6月8日 23時) (レス) id: 67fd284f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2016年6月8日 17時

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