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第四十九話 能書きは白紙のまま ページ50

神威「なんか、ここでアンタの話に乗っちゃうのは癪だけど、要はアンタをぶっ飛ばせば、あとは好きにしていいってことなんだよね」

銀八「ぶっ飛ばせばたら、な」

神威「じゃあ、やる。そういうシンプルなゲーム、嫌いじゃないんだ」

銀八「高杉、てめーはどうする?」

高杉「……いいぜ。敵の大将やる前に、むかつく教師を黙らせられるんだ。最高の余興じゃねーか」

兄様が浮かべた酷薄なその笑みに、背筋がぞくりとした。ただならぬ雰囲気に、私はその場から一歩後ずさる。

神威「順番は?どっちからやる?」

高杉「俺はあとでいい。てめーから先にやれ」

神威「いいの?俺が一発で決めちゃったら、アンタに順番回らなくなるよ?」

高杉「それならそれでかまわねーよ。白髪頭に入れる予定だった一発を代わりにてめーに入れるだけの話だ」

神威「へえ、そりゃ楽しみ」

二人とも淡々とした口調だが、かえってそれが恐ろしかった。

来島「……A、どうなると思うっスか……?」

『…さあ…?こればっかりはさっぱり……兄様も何を考えてるか分からないし……でも、銀八も侮れない』

銀八「話はついたか?」

神威「ああ。俺からってことで……でもさ、ほんとにいいの?」

銀八「ああ、いいぜ。言い出しっぺは俺なんだ。間違っても傷害で訴えたりなんかしねえよ」

神威「いや、そーじゃなくて……俺が本気でやっちゃうと、先生倒れるだけじゃすまないよ?」

神威の笑みに凄惨な色が加わり、私はまたも背筋がぞくりとする。兄様も神威も、ときどき笑顔で人の背筋を凍らせる事が出来る……そんな気がした。

銀八「……そいつはおっかねえな。だが、銀八先生に二言はねえよ」

神威「そう。ならよかった」

そう言って、神威は拳をかまえた。グランドの…校舎の…全員の意識がこれから始まるゲームに注がれていた。はっきり言って、この作戦は凄く無茶苦茶だ。だが、賽はもう投げられた。

神威「いくよ」

神威の言葉に銀八は頷く。直後、神威は踏み込んだ。繰り出される拳。激しい衝撃音。私は思わず、目を瞑る。そして三秒後、ゆっくりと目を開けた。
銀八の頬……拳を受け止めて歪んでいる。銀八の足……パンチの衝撃で地面にめり込んでいる。銀八の口からポロッと煙草が落ち、ぐらりと体が揺れる。だが、銀八は倒れなかった。

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セシル(プロフ) - ザクロさん» ごめんなさい。こちらの作品は銀八先生シリーズですので、銀時として出てくることはないと思うのですが、どこか誤字でもありましたでしょうか…… (2020年5月7日 20時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - 銀時だと思います (2020年5月7日 20時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綴さん» ありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 狂乱の貴公子さん» ありがとうございます!更新の際はまた遊びに来てください! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
- 貴方のような作者様に出会えて良かった! この作品にはお世話になっております! 私、妹系のお話好きなんですよ(苦笑)  これからも、更新ファイトです!!!! (2015年10月21日 21時) (レス) id: edf458bfd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2014年2月17日 16時

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