第三十八話 融解の手本 ページ39
神楽「あいつは、いつでもどこでも強い奴を求めてる戦闘おたくアル。だから、あの兄貴に喧嘩をやめさせるなんて、林家ぺーに有名人の誕生日を覚えるなって言うのと一緒アル」
『じゃあ無理ね』
銀八「そうそう、そーゆーこと。な、だからここは思う存分やらせるのが一番なんだって」
銀八がうなずきながら言っていると、土方さんが話に割って入ってきた。
土方「思う存分やらせてやればいいって言いますけどね、先生。まともな喧嘩になるんだったらそれでもいいでしょうけど、今回のこの喧嘩、そうはならないんじゃないんですか」
『は?どういう意味よ、それ』
土方さんの発言に眉を顰める。腕組みをした土方さんは、グランドの方に一度顎をしゃくってから続ける。
土方「あの果たし状、双方が百人ずつの手勢を出して、こっちは高杉、向こうは神威ってやつが大将だって事になってるが、はたしてこっちの大将の下に百人も兵が集まるかどうか……」
銀八「あいつの……高杉の下には百人も兵は集まらねえってことか?」
土方「そういうことです……ま、高杉ってヤローは、よく言や一匹狼、孤高のヤンキーだが、悪く言や、ただハブられてるだけって言い方もできる」
『ず…随分と好き勝手言ってくれるじゃない……兄様を侮辱する奴は誰かれ構わず殺すわよ?あんたはそんなにも私に殺されたいの?』
土方「なに言ってやがる。実際、ウチの学校のヤンキー連中はお前等のこと嫌ってるだろ」
『ハッ…弱い奴に好かれても嬉しくないわよ。てか、好かれても迷惑なだけ』
土方「いくら夜兎工の神威が果たし状の中で、高杉を大将に指定しているとはいえ、ウチの他のヤンキー達がそれに納得するとは思えねえ。いや、むしろお前等が夜兎工に倒される事を願っている奴の方が多いかもしれねえ」
『だから?それがなんだって言うの?だいたい、私達が負けるわけないでしょ?てか、負けるなんてありえないわ』
土方「大した自信だな、相変わらず……下手すると、六人対百人になるぞ」
『最初からそのつもりだけど?六人で十分よ……それじゃあ、そろそろ時間なので失礼します』
銀八「おい、A……」
銀八が何か言おうとしていたが、私はそれに気づかないふりをして教室を後にした。
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セシル(プロフ) - ザクロさん» ごめんなさい。こちらの作品は銀八先生シリーズですので、銀時として出てくることはないと思うのですが、どこか誤字でもありましたでしょうか…… (2020年5月7日 20時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - 銀時だと思います (2020年5月7日 20時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綴さん» ありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 狂乱の貴公子さん» ありがとうございます!更新の際はまた遊びに来てください! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
綴 - 貴方のような作者様に出会えて良かった! この作品にはお世話になっております! 私、妹系のお話好きなんですよ(苦笑) これからも、更新ファイトです!!!! (2015年10月21日 21時) (レス) id: edf458bfd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2014年2月17日 16時