銀魂 3年Z組 高杉くんの妹はとても自由人

第二十九話 成層圏より ページ30

神威「あらら……今回はこっちがおあずけを食う番みたいだね」

番長がポツリと呟いた。
ボンタンランハングループが瞬殺されるのを俺達はただ目撃する事しかできなかった。

〈かぶき町○丁目にボンタンランハングループ出現！〉

町の誰かがツイッターにそう書いた。それを見て、たまたま○丁目の近くにいた俺達は、現場に駆けつけた……だが、遅かった。
着いた時には、もうすべてが終わっていた。高杉達が、一瞬ですべてを終わらせたのだ。

神威「……ま、いいか。今回はあいつ等に譲ろう……良いものも見れた事だし」

阿伏兎「いいのかよ？今からあいつ等んとこ躍り込んで、むちゃくちゃにしちまうって手もあるぜ」

俺の言葉に、番長は笑って首を振る。

神威「いいんだよ。俺は、好きなものはあとにとっとくタイプだからさ………まだ手は出さないでおくよ」

「行こう」と言って、番長は長ランの裾をひるがえして歩き出した。


＊＊＊


ボンタンランハングループの頭目は、獄門島高校の鯱という男だった。
鯱は、ワイルドなヤンキーファッションの研究に余念がない男だった。その研究材料として、巷のいろんな短ランやボンタンを強奪し、蒐集していたとのこと。
山崎は無事、潜入捜査を終え風紀委員へ戻ってきた。そして後日、山崎の提出した報告書に目を通す。


《報告書》

高杉達は、極悪というほど悪い奴等じゃないのかもしれません。それは、僕がボンタンランハングループに襲われたところを助けてくれたからです。Aちゃんも、僕の事をずっと黙っててくれました。そんなAちゃんの優しさにときめいたのはここだけの秘密です。沖田さんには、絶対に内緒にしてください。
今回に関しては、かぶき町にとって良いことをしたんじゃないかなと思いました。

山崎退


土方「──…作文んん？」

誰もいない教室に、俺が報告書を叩きつける音が響いた。

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