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第二十八話 白線堂堂 ページ29

えええええええ?
カツアゲがうまくいかないところへ謎の集団に声をかけられた。
で、「ボンタンと短ランをよこせ」と言う。その言葉で思い当たった。こいつ等、あれだ。最近かぶき町を騒がせているボンタンランハングループ!
でも俺のコレ、短ランじゃねえだろ!ただ、ボタンに紐を通して首からさげてるだけだろ!
襲われた恐怖よりも、まずはそのツッコミで頭がいっぱいになった。
そこへ、グループの頭目らしき男が言う。

鯱「まったく、ボタン一個の短ランとはな。ここまで気合いの入った短ランにお目にかかるのは初めてだ……悪いが、狩らせてもらうぜ」

ちょ、や、だからこれ短ランじゃねえって…。
心の中ではなく、声に出して言い返そうとしたが、その余裕はなかった。いきなり顔を殴られた。倒れたところをさらに何発も蹴られた。
攻撃はすぐにやみ、首からさげていたボタンをブチリとちぎり取られた。そして極太のボンタンに手がかけられる。
か、狩られる!素材、剥ぎ取られる!
屈辱で叫び出しそうになったときだ。

高杉「やっと会えたぜ、ボンタンランハングループ」

『今時、ボンタンランハンなんてダサいことやってる皆さーん。こんにちはー』

高杉とAちゃんの声がした。その直後、五つの影がボンタンランハングループと交錯した。
高杉一派の戦いが始まったのだ。
Aちゃんは一人で二、三人相手取り、頭目らしき男とやり合っているのは高杉だった。いや、やり合うというほどでもない。決着はあっけなくついた。
高杉はポケットに両手を入れたまま、頭目のパンチをかわし、長い脚を振り上げた。顎を蹴り上げられた頭目は宙を舞い、地面に落ちたときにはもう気絶していた。
Aちゃんはその戦いをつまらなさそうに、自分の倒した相手の上に座りながら眺めていた。どうやら、瞬殺だったようだ。河上等他のメンバーも、あっさりと自分の戦いを終えていた。気がつくと、ボンタンランハングループは全員地面に倒れた伏し、立っているのは高杉一派の六人だけだった。
地面にへたり込んだまま、その六人を見上げると、高杉とAちゃんが聞いてきた。

高杉「おい、生きてるか?」

『山崎さん、大丈夫ですか?』

俺はがくがくと頷いた。痛みより恐怖の余韻で膝に力が入らない。しばらくは立ち上がれそうになかった。

山崎「あの……ありがとう、ございました」

俺がそう言えば、高杉は小さく鼻を鳴らし、Aちゃんはニコッと笑った。

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セシル(プロフ) - ザクロさん» ごめんなさい。こちらの作品は銀八先生シリーズですので、銀時として出てくることはないと思うのですが、どこか誤字でもありましたでしょうか…… (2020年5月7日 20時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - 銀時だと思います (2020年5月7日 20時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綴さん» ありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 狂乱の貴公子さん» ありがとうございます!更新の際はまた遊びに来てください! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
- 貴方のような作者様に出会えて良かった! この作品にはお世話になっております! 私、妹系のお話好きなんですよ(苦笑)  これからも、更新ファイトです!!!! (2015年10月21日 21時) (レス) id: edf458bfd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2014年2月17日 16時

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