第二十話 薄墨の手引きをしよう ページ21
神威「やあ、また会ったね」
『……どうも…』
来島「えっ…A、こいつ等と顔見知りなんスか…?」
『ええ。ちょっとね……それで?黙認してたのに、どうしてこういう状況になってんの?』
神威はAの問いに「あー」と思い出したかのように話し始めた。
神威「こいつ等、夜兎工の生徒にまで売りつけるようになってね。だから、ちょっとお仕置きしたってわけ」
阿伏兎「というわけだ。どうやら同じ相手を追ってたようだが、タッチの差ってやつだ。アンタ等にゃ悪いが、まあ手間が省けたと思ってくれや」
晋助様はポケットに手を入れたまま、Aは腕を組んだまま、なにも返さない。ただじっと、夜兎工の三人を見返している。
阿伏兎「なんだい、お二方。気に入らねえってオーラ、ムンムンに出てるじゃないの。運動不足だってんなら俺達とやるかい?」
阿伏兎の目がわずかに鋭くなった。それを受け、万斉先輩、似蔵、私はすぐに動ける体勢をとった。武市先輩だけはすっと退いて距離を置く。
神威「待った、阿伏兎……ねえ、その眼帯…ひょっとしてアンタ、銀魂高校の高杉?」
高杉「ああ、そうだ」
神威「じゃあ…キミは妹のAだね?」
『……そうよ』
神威「やっぱり。道理でそこら辺のザコとは雰囲気が違うと思ったんだ。で、どうする?俺等と運動する?」
高杉「そうだな……」
Aは、不安そうに晋助様を見上げた。そんなAに晋助様は一瞬だけ視線を落とし、かすかに首をかしげてから続けた。
高杉「……今日はやめておこう。このあと、そろばん塾もあるしな」
神威「そう。よかった。俺もツ●ヤにDVD返しに行かなきゃなんないんだ。というわけで、阿伏兎、云業、帰るよ」
神威は、こちらに向かって歩き出した。その後ろに、阿伏兎と云業も続く。笑顔に返り血をつけた神威が近づいてくるのを見て、気圧されるように道を譲ってしまった。神威はすれ違いざまにAに声をかける。
神威「俺、キミのこと気に入っちゃったんだよね。いずれ、俺のものになってもらうよ」
『妄想は自分の頭の中でとどめてもらえる…?』
冷ややかに言うAに、神威はニコッと笑って歩き出した。
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セシル(プロフ) - ザクロさん» ごめんなさい。こちらの作品は銀八先生シリーズですので、銀時として出てくることはないと思うのですが、どこか誤字でもありましたでしょうか…… (2020年5月7日 20時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - 銀時だと思います (2020年5月7日 20時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綴さん» ありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 狂乱の貴公子さん» ありがとうございます!更新の際はまた遊びに来てください! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
綴 - 貴方のような作者様に出会えて良かった! この作品にはお世話になっております! 私、妹系のお話好きなんですよ(苦笑) これからも、更新ファイトです!!!! (2015年10月21日 21時) (レス) id: edf458bfd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2014年2月17日 16時