第十三話 つまらない呼吸だった ページ14
聞き込み調査が始まった翌日──たまり場に招かざる客が訪れた。放課後、突然ドアが乱暴に開けられ、三人の男が踏み込んできたのだ。
近藤「風紀委員会だ!入らせてもらうぞ!」
入ってきたのは風紀委員のバカ三人で、私はそれを横目に雑誌に目を通す。
たまり場にいるのは兄様とまた子姐、万斉、私の四人だけ。武市と似蔵は聞き込みに出かけたのか、それとも女子中学生の情報を集めに行ったのか、コロッケパンを買いに行ったのか、不在だった。
来島「いきなりなんの用スか、アンタ等!」
河上「マナーを知らぬ連中でござるな。部屋に入る前にはノックをするのが礼儀であろう……いや、ゴリラがトップをつとめるような集団に礼儀もクソもないでござるか……」
万斉は何食わぬ顔で挑発する。近藤さんはぴくりと頬を引きつらせたが、近藤さんが口を開く前に、隣にいた土方さんが落ち着いた声で言う。
土方「委員長、挑発には乗るなよ。間違って手でも出したら、こいつ等の思うツボだ。“風紀委員会は暴力集団だ”なんて、騒ぎ立てるかもしれねえ」
近藤「わかってるよ、トシ。俺だってそこまで短気じゃねえ」
近藤さんは万斉に向き直り、作り笑いとやわらかい物腰で言う。
近藤「ノックをしなかったのは失礼したよ、河上君。以後は気をつけよう。すまなかった」
河上「おい、通訳は連れてきてないでござるか?ウホウホとしか聞こえんぞ」
近藤「だとコルァァ!俺がいつウホウホ言ったァァ!表出ろやァァ!」
土方「いや、あっさり乗ってんじゃねーか挑発に!」
『……マヨラーがゴリラを宥めてる』
土方「あ?んだとてめー」
私は読んでいた雑誌を閉じ、ソファーから立ち上がって、土方さんに対して挑発的な笑みを浮かべる。
『そこのゴリラはさて置き……アンタほど容易く挑発にのる人は居ないわよね……マヨラさん』
土方「じょ……上等だコルァァ!表出ろやァァ!今日こそ、決着つけてやらァァ!」
『アハハ、冗談は顔だけにしてもらえる?』
土方「てめー……言わせておけば…!」
近藤「トシィィ!?お前まで挑発にのってどうすんのォォ!?」
土方「離してくれ、近藤さん!あの女、今日という今日は許さねえ!!」
『アハハ、傑作ね』
高杉「A、その辺にしてやれ」
『……はーい』
兄様に止められ、私は大人しくソファーに座る。それを見た土方さんは落ち着きを取り戻したのか、咳払いをして兄様に向き直った。
第十四話 スマトラの初対面→←第十二話 見渡すには便利なのよ
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セシル(プロフ) - ザクロさん» ごめんなさい。こちらの作品は銀八先生シリーズですので、銀時として出てくることはないと思うのですが、どこか誤字でもありましたでしょうか…… (2020年5月7日 20時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - 銀時だと思います (2020年5月7日 20時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 綴さん» ありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 狂乱の貴公子さん» ありがとうございます!更新の際はまた遊びに来てください! (2015年10月29日 14時) (レス) id: fbea12f221 (このIDを非表示/違反報告)
綴 - 貴方のような作者様に出会えて良かった! この作品にはお世話になっております! 私、妹系のお話好きなんですよ(苦笑) これからも、更新ファイトです!!!! (2015年10月21日 21時) (レス) id: edf458bfd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2014年2月17日 16時