検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:105,133 hit

三十三発目 休息したい。疲れた。 ページ40

暫く進むと人の列が途絶えた。


さすがに疲れて息が上がった、だから聞こえるのは私の荒い吐息とおそ松たちの足音、吐息だけ。


「……はぁ……はぁ…Aちゃん、速すぎ……」


おそ松が息切れしてる、珍しい……
しかしそれは一瞬だけで、ふぅー、と息を吐くとすぐにいつものおそ松に戻った。

十四松はまだまだ元気そうだしチョロ松も動けそう、ただ一松が死にかけている。

「…はやっ………くそっ………はっ……」



…大丈夫かな。多分大丈夫だよね。1kmを全速力で走っただけだもんね。(普通はできない)



今まで通ってきた道を振り返ると、地の海、死体の山。うわぁ、随分殺っちゃったなぁ。


手に握られた血塗れのナイフを視界に入れる。
手まで血だらけだ……でも、痛いところは一つとしてないし、怪我ではない。返り血かぁ。

四人は無事かな。


『…みんな、怪我とか、してない?……ふぅ。はぁ…。』


手で汗を拭うと手の血が滲んだ。…薄くなったから、まるで、おそ松みたいな色。

「ないない。あ、もしかして心配してくれた?ねーねー?」



…鬱陶しい………。別に心配してる訳では無い。

「…する訳ないでしょ。」

「してないよ、心配ありがとう。」

「してないよ!!!無傷!!」

…とりあえずみんな無事っぽい。心配してた訳じゃないけど。

だって、怪我されたら困る。

『心配なんかしてない、怪我されたら任務に支障が出るから。』

なんか、こう、胸にわだかまりができる。


きゅっと唇を噛み締めるとおそ松がへらへらととんでもない事を口にした。


「はいはい、素直じゃねぇの。









…ところでチョロ松〜、今どの辺?」





え、把握してなかったの。


チョロ松まで転ける。

「おいクソ長男!!把握しとけよ!!……あー、えーと、もうすぐ対談してる部屋の隣につく。」


暴言吐きながらもちゃんと教えてくれるチョロ松。きっと頼りにされてる証拠。


羨ましいなぁ、なんて気持ちもある。

ちょっとでいいから頼られたい。

…まぁ、きっといつかそんな日が来ることを願う。


にしてももうすぐカツラギとカラ松達の場所かぁ。

…音とか、気配とか、感じ取れないかな。

目を瞑って感覚を研ぎ澄ませる。



空気の流れ、些細な温度の変化、音、匂い。

全部を感じ取るつもりで目を閉じる。





…………見えた。

ほんの少し、ほんの少しだけだけれど、火薬の匂いと、血の匂い。


きっと、カラ松だ。急がなきゃ。

三十四発目 一方その頃…#カラ松side→←三十二発目 ド派手に咲かせ尺玉花火



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
229人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

れい - おそ松兄さんがいいです!!大好きなんです!更新頑張ってください! (2016年1月16日 19時) (レス) id: 405b985d2c (このIDを非表示/違反報告)
- おそ松オチがいいです!頑張ってください! (2016年1月14日 15時) (レス) id: 98c5b52946 (このIDを非表示/違反報告)
優維 - おそ松がいいです!! いつも面白い作品を、ありがとうございます!! (2016年1月14日 7時) (レス) id: 845e7660f5 (このIDを非表示/違反報告)
ソメイヨシノ(プロフ) - はるさめさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです…!あ、なんか目頭が熱く…(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、良縁がございましたようで何よりです!是非楽しんでくださいね! (2016年1月10日 16時) (レス) id: 55914f348c (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - あなたの作品で占いツクールを知りました!ありがとうございます!! (2016年1月10日 13時) (レス) id: f5fb11865f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ソメイヨシノ | 作成日時:2015年12月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。