【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

三十一発目 れっつごーとぅー殺戮戦線 ページ38

おそ松と十四松が大声出すから人がこっちに来てるよ…くっそ。


歩きつつも聴覚を研ぎ澄ませる。
遠くから聞こえる足音は何人分？ひぃ、ふぅ、みぃ、よー………６人分。

多分9時の方向。


『…足音する、隠れて。』

９時の方向からなら死角になるのは……そこか。


ちょうど良く積み上げてあった箱の影に隠れる。

｢…どうすんの？｣

｢壊滅させるんだから殺さないと…｣

こそこそと話すチョロ松とおそ松を横目に様子を窺う。

…来た。
6人を1人で殺るのは流石に時間がかかる。

なるべくバレるような音が立たない武器…銃はまずい。

十四松がバットを持っていた。よし、いける。


『十四松と私で奇襲する。私が不意打ちで…３人。十四松はその間にもう３人お願い。』

｢えー、俺はー？｣

『おそ松は銃でしょ、幾らサイレンサーつけててもバレるもんはバレるよ。今はまだ隠密に。』

しー、と人差し指を立てて口元の前へ。

ね？と言えば押し黙ってくれた。


｢野球！？やきう！？｣

小さい声だけれど心底楽しそうにしている十四松。
ああ、純粋だなぁ…。

『うん、野球。ただしボールはあの３人。』

野球が球技なのは知っているから。

球を三つ指さしてやる。すると目を輝かせてうん、と頷いた。


純粋故の殺人…一番怖いの十四松じゃ…？暴走したら歯止め利かなさそうだし。


まぁ、いいや。一歩一歩近づいてくる。射程内に入るまであと何歩？……まだ。

まだダメ。

｢まだ？｣

『まだ…』


一歩一歩を慎重に聞き取れ。



ミスはしちゃいけない。


あと60。


こつ、こつ。


頭に響く音。


規則正しいけれど、どこか警戒するような。

獲物を探し出すような。


少しずつ人によって違う足音。





あと、30。




徐々に話し声もする。

小さく、こそこそと。



私達と同じ。獲物を狙って、目を光らせる。でもね、光ってる目じゃ感のいい奴は気づくよ。

あと10。


きゅう、はち、なな。



そっと中腰になる。


ろく、ご、よん……


さん、にい。






いち。

ゼロと同時に音無しに地面を蹴る。狙うのは相手の首のみ、情も躊躇も一切要らない。

速く、速く、狩る。



頚動脈、を、喉を、気管を、斬る。


２人殺った。あと一人。飛んだ勢いでそのまま壁を蹴る。

流石に気づいて発砲したか、でもね、私には意味無いよ。

ナイフで軽く銃弾を弾く。そしてそのまま、喉を刺す。

３人。

着地すると同時に鈍い音が耳に入る。



派手にやったね、十四松。

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