【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

三十発目 蝶のように舞い、狼のように裂く#おそ松side ページ37

入り口付近の物陰に隠れてAちゃんの様子を伺う。

がっつり聞き耳を立てて。


うわ、あんな声聞いたことないよ。表情も見たことないよ。弱々しい感じの…。


何だあれ可愛い。超可愛い。

するとマフィアの門番的な奴がこっちを指さしてきた。やべ、ばれた…？


とも思ったがどうやら杞憂だったようだ。
ゆるりと微笑むAちゃん。あ、なんか切れそう。何かが切れそう。

すっげードキドキする。何だあの顔。
いや、作り笑顔なのは知ってる。何となくわかる。


でもあの顔を俺にも向けて欲しい。十四松にさっきやったみたいにシガーキスもしたいし物理的にキスしたい。

好きなのは百も承知だ…けど、なんか、年の差的にアウト。

はあぁ…報われねぇ…。

なんて考えていたら彼女は門番が一瞬だけ見せた隙を利用して首筋をナイフの刃でつうっ、となぞった。


刹那、門番2人がどさりと倒れた。

軽く血を被ったAちゃんがビルの隙間から射す光に当てられて余計に美しく見えた。

いつもの表情(かお)で『逝くのはお前らだよ、バーカ』と嘲笑うように呟いた。


背筋がぞくりとした。


身体中に電撃が迸るような感覚に包まれた。

路地裏の一匹狼。狼…まさにそうだ。美しく狩りをする。

嗚呼、また、また惚れ込んでしまった。こんなに素敵な女、トト子ちゃんとAちゃん以外に居るのかな。

少なくとも俺の中じゃAちゃんはトト子ちゃんよりも上だろう。

…譲れない。
なんて誰にするでもないくだらない独占欲を沸かして居たらAちゃんからゴーサインが出た。

それを合図に４人で動き出す。
さっきの恋情は一旦忘れて無かったことにして。

｢いやー、Aちゃんさすがっ！狼ちゃんっ！！｣

『狼じゃない。』


あら、反応悪い。

まあいいや、隣を歩けるんだから。

｢まーまー。じゃ、進んでいこ。｣

中に入る。おじゃましまーすっと。

まあまあ整った設備。でもじっくり見てまわる予定も時間もない。
門番二人とも殺っちゃったからね、異変に気づくまでは時間の問題。


｢ここの門番時間交代制だからね、急がないとバレるよ。｣

チョロ松、俺今同じこと心ん中で言ったわ。

｢知ってら。｣

｢しかも１時間ごとだから。今八時五十分。あと十分ちょいで確実にバレる。｣

…えっ。

｢そういう事は先に言えよ！！｣

｢おそ松兄さん、うるさいよバレる。｣

｢おそ松兄さんアウトー！！｣

十四松もな！！



Aちゃん引いてるしもうやだ！！

三十一発目 れっつごーとぅー殺戮戦線→←二十九発目 いたいけな少女(笑)になってみた。え、お似合い？ちょっと表でようか

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