【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

二十八発目 シガーキス？何それ？美味しいの？ ページ35

煙草が吸えないことにイライラしつつの数時間。


トントン、とノックの音が聞こえた。
やっと来た。

｢A、迎えに来たぞマイハニー。｣

『カラ松かよ。まあいいや、煙草頂戴。』

ユアハニーになった覚えはない。それよりも煙草よ。
手をちょいちょい、と差し出すとカラ松が眉を顰めた。

お子ちゃまが喫煙すんのは良くないよ、ってか。

んなガキじゃないっつーの。(※未成年です)

｢そんなことより、車に…｣

『ちょっと、そんな事じゃないよ。…チッ、車乗るから乗ったらちょうだい。』

そんなこと、で流されたからちょっとカチンときた。こっちは死活問題だというのに。

七割本気で舌打ちしたらちょっと泣きそうな顔をした。
あ、なんかごめん。

とりあえずずかずかと車に乗る。この間みたいなヘマはしないよ。
で、どかっと座る。

一松がパンツ見えてるって言ってきたけどもうどうでもいいよそんなの。

煙草だ、煙草。

『…誰か、煙草くれない？』

いつもよりも低めのトーンで言うとみんなこっちを見たが一向にくれる気配がない。

｢だめ。元気な赤ちゃん産めなくなるよ？｣

お前は女子かトド松。

『産む気は無いから大丈夫。さあくれ。』

｢ダメダメ。俺が許さないよ。｣

『……けっ。』

とりあえず一番近くにいたチョロ松の胸ポケットから煙草を一本拝借。

｢あっ！ちょ、スられた！｣

『…火がないな。んー…あ。』

十四松がちょうど煙草吸ってる。

煙草の先をくっつけて火を拝借……



したとたんに皆が｢十四松ずりぃぞてめぇ！！｣
とか叫び出した。

十四松はちょっとだけ頬を染めている。私が何をしたっていうの。

｢Aちゃん…？あの、えっと…｣


『何。火をもらっただけでそんな騒ぐ？』

あぁ、久々のこの感覚。

最っ高…。





｢Aちゃん、それもうやっちゃダメ。シガーキスだめ。｣




ん？へー、これ、シガーキスって言うんだ。
キスってなんだ？


『…んー。』

｢返事おざなりだね…あ、もうすぐ着くよ。｣

『あ、こっちサイド作戦があるんだけど。』

言い忘れる前に言っておこう。

『最初私独りで迷い込んだふりして入り口切り込むから。』

何を言ってるんだ？という顔をされた。大丈夫、私も何言ってるかわかんなかった。



つまりは、最初だけ下がってろ、ってこと。

うん、まぁ考えがあるんだよ。

朝に思いついたやつだけど。



｢…よくわかんないけどまぁ、うん。任せる。｣

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