【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

二十二発目 依頼内容の確認と取引(時々セクハラ) ページ28

その後十数分程車に揺られてやっとのことで企業とやらのビルについた。


車に乗るのが初めてな私は案の定過ぎるくらいに車酔いをした。



気持ち悪い。頭がぐわんぐわんする…。

『うえぇ………気持ち悪い…』

｢大丈夫？おんぶしよっか？｣

トド松が心配そうにのぞきこんでくる。


しかし触れない約束だし頼るにもまだちょっと抵抗があるので断るしかない。

『いや、いい。行こ。』

社長との対面までには治す。


受付で松野、と名前を言ってそのまま奥へと通される。
ロビーですらシャンデリアがかかっていて、豪奢で高そうな装飾品が並んでいる。

金持ちはこういうの自慢したいんだ…
エドワードもたくさ……いや、やめとこう。


｢うっひゃ、さすが大企業。無駄にゴチャゴチャしてるね。ゴージャスぅ！｣


おそ松のテンションが上がっている。


こんなもんおそ松にとっては日常茶飯事に思ってた。

『…いつものことじゃないの？』

｢それがそうでもないんだよー。｣

チョロ松が困ったように眉を下げる。普段の下がり眉がさらに下がってる。

なんか意外かもしれない。

……素朴な感じなのかな。ちょっと気になるかも。

｢…あ、もしかして気になってます？
じゃあもう家で暮らしなよ。｣

見透かされたような一松の発言。

『お断りするよ』

でもまだ大人数で暮らす、のには無理がある。

大人数で長時間一緒にいるとどうしても屋敷を思い出してしまうから。



…もうあんな思いしたくない。それをしないのをわかっていてもどうしても手を伸ばせない。

ぞろぞろとつながっていく六つ子の五歩後ろを歩く。


十四松がもっと前きなよ、って言ってくるけど首を振る。

ちぇ、とつまらなさそうにするのを見なかったことにして通された部屋に入る。

おそらく向かいの真ん中に依頼人が座るだろう。なら一番距離が離れている…端っこ。

トド松が座っている横に立つような形で定着する。

｢座んないの？｣

『座らない。』

隣は嫌だからね…。

密着するのは、ちょっと抵抗が…。


数秒と待たないうちに依頼人が来た。予想通り真ん中に座って話を始めた。

｢やぁ、今回はよろしく頼むよ、松野ファミリー。…と、そちらの可愛いお嬢さんは？｣

可愛くないし、嬢でもない。

ただの……ただの、何だろ。人…なんだろうか。

｢ああ、気にしないでよ、うちの仲間。｣

『……Aです。』

｢A…そっか、可愛らしい名前だね。
スカートの絶対領域とか最高。｣



……えっ？

桜荘＊夢主ちゃんイメージ画(イメチェン後)、お礼→←二十一発目 車乗ったの初めてなんだけど…

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