二十一発目 車乗ったの初めてなんだけど… ページ27
「もーなにさ、殴ることなくなぁい?」
『急に抱きついてきたのそっちでしょ。触れないでって。』
「トド松と手ぇつないでたのに…兄ちゃん悲しいぞ。」
悲しいとか言われても知らんよ。
私が知ったことじゃないよ。
後ろからチョロ松が申し訳なさそうに出てきた。
「ごめんねAちゃん、おそ松兄さんが聞かなくて…あ、そうそう。乗って?」
と言ってドアが開けられた。
路地裏から見えてたけど…あれだ。この車は大きいサイズ。何でこんなの路地裏に入ったの?よく入れたね。
車乗るの初めてだからなんかどうしよう…
乗って、と言われてもなんかこう…乗れる…?乗ったとしてどこ座るの?
もうトランクにでも入ってたいよ。
「…入んないの?」
『あ、いや…車…乗ったことないから…』
「あぁ!大丈夫大丈夫。ほら乗った乗った!」
チョロ松に聞かれてちょっとたじろいでしまう。どうしよう、と思ったところをおそ松に押されて無理矢理乗車。
ソファーに頭打った、痛い。
『わぶっ…!!……どこ座ればいいの?』
「好きなとこでいいんだよ。リムジンだから。」
リムジン…へー、これ、そういう名前なんだ……豪奢な感じする…。1人で座りたいなぁ、空いてるところ…あ。
端っこの方にある開いている場所に座る。
するとおそ松とトド松がすぐさま隣に来て
「端っこじゃなくて真ん中でいいのにー。」
って言われた。
どこでもいいって言ったじゃん。一人で座りたいんだけど…
「ねー。あ、チョロ松運転よろしくねー。」
「なんで僕…?」
「俺行きやったし。」
…運転の押し付け合いをしている。
何してんの。
時間大丈夫なのかな…
「間に合うの?」
一松の最もすぎる一言で結局チョロ松が運転することになり、そのまま車は発進した。
数年ぶりに路地裏から出た。
煌々と射す陽の光や随分変わり果てた街に心が踊る。
窓の外を巡る景色をずっと眺めていると
「犬みたいで可愛いね。そんなに外面白い?」
と笑われた。
トド松が持っている薄い板のようなものからカシャ、と音がした。
カメラで写真は撮ったことあるからそれがシャッター音なのはわかった。
『ちょっ……その写真消して。』
「え、バレた…」
『音聞こえた。』
どんなに些細な音でも聞き漏らしてなんかやらない。
まさに狼だね、なんて言われそうだけど。
…キラキラした街。私とは大違い。
みんなみんな、あっち側。
私はいつでもこっち側。
…なんか、ちょっと寂しい。
二十二発目 依頼内容の確認と取引(時々セクハラ)→←二十発目 え、任務?マジか。
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れい - おそ松兄さんがいいです!!大好きなんです!更新頑張ってください! (2016年1月16日 19時) (レス) id: 405b985d2c (このIDを非表示/違反報告)
郷 - おそ松オチがいいです!頑張ってください! (2016年1月14日 15時) (レス) id: 98c5b52946 (このIDを非表示/違反報告)
優維 - おそ松がいいです!! いつも面白い作品を、ありがとうございます!! (2016年1月14日 7時) (レス) id: 845e7660f5 (このIDを非表示/違反報告)
ソメイヨシノ(プロフ) - はるさめさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです…!あ、なんか目頭が熱く…(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、良縁がございましたようで何よりです!是非楽しんでくださいね! (2016年1月10日 16時) (レス) id: 55914f348c (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - あなたの作品で占いツクールを知りました!ありがとうございます!! (2016年1月10日 13時) (レス) id: f5fb11865f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソメイヨシノ | 作成日時:2015年12月22日 1時