【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

二十発目 え、任務？マジか｡ ページ26

イメチェンしてから数日が経った。

彼らと会わない平凡な日々が続く…と言いたいところなんだけど。ここ数日毎日のように電話が来る。

なんか用か、と聞くと特に用はない、私と話したいだけと返ってくる。

まあお出かけ(という名のお金稼ぎ)が出来ないから暇だし良いんだけど…


今日もふかふかのベッドから降りてドレッサーに向かい、髪をとかす。
やっぱり整った髪もふわふわのパジャマにも慣れない。
おそ松はこれからこの髪を伸ばせ、って言ってたな。


クローゼットを見れば高価だけどキラキラはしていない、清楚な服が掛けてある。
今日はどれを着よう、なんて少し楽しみな自分もいるがやっぱりまだ変な感じがする。


クローゼットから一番よく着ているブラウスとスカートを着る。これが一番動きやすい。

いわゆるコルセット、とかは付けない。苦しいじゃん。…だから、サラシ巻いてる。
靴下を履いてローファーを履けば今日の私が出来上がる。

…なんか自分なのに別人みたい。それがなんだかちょっと嬉しくて、口元がゆるむ。


さ、朝ごはんを食べよう…と思ったところで電話が掛かってきた。また用もないのに電話するの？出ろって言われてるから出るけど…

『…何？』

｢おはようAちゃん。チョロ松です。｣

…あれ、チョロ松かぁ。珍しいな。今までかかってきたのは…トド松、おそ松、十四松、カラ松、チョロ松、一松の順で多かった。

だからチョロ松だとちょっと珍しい。

『うん、声でわかった。…で？何の用？』

｢えーと、依頼入ったの。だからちょっと僕達と一緒に来てもらっていい？大企業…なんだけどさ。もうすぐお迎え来ると思う。｣

もうすぐお迎え来ると思う…って…拒否権なさそうだねそれ。

『拒否権なさそうだね、いいよ別に。何するの？カツアゲ？殺し？盗み？』

私が得意なことをひたすらにあげてみる。

電話の向こうからうげ、と言いたそうな声が聞こえる。

｢…意外とむごいこと言うね。まあ当たり前か…えーと、ちょっと待ってね。んーー、まぁご名答かな。依頼主の大切なものの奪還及び盗んだ人間の抹殺、証拠隠滅。証拠隠滅は僕とトド松が引き受けるから奪還と殺しをよろしくね。もうすぐつくよー。｣

と言って切れた。ナイフ、大丈夫かな？久々に使うから動けるかな。

トントン、とノックが響く。

『はいは…｢Aちゃんっ！会いたかった！｣……やめろ触んなっ！！』


急に抱きついたおそ松が綺麗に宙を舞った｡

…あ、やばい……

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