十八発目 イメチェンするぜ!! ページ23
髪切る発言の後、空気がしーん…ってなった。
え、私なにかしたっけ…?
「…ほんと!?」
横のトド松がキラッキラした目で見てくる。…可愛い……。猫、いや、犬かな。
『ほんと。…だから早く終わらせて。』
「キター!!!Aちゃんトド松に任せておけば絶ッ対可愛くなるから!!ね!俺が保証する!!」
おそ松に反対の手を取られてドレッサーの前へ。
自分の顔をよく見たのは何年ぶりだろう。随分成長して、昔の面影なんてなくなってしまった。
忌々しいエメラルド色の目。この瞳と目が合うのが嫌で髪やほんのり膨らむ胸の膨らみに目を泳がせる。
いつの間に、少しだけ大人になったんだろう。
面影もない目の前に映る自分らしき影は何処か怯えるように目を逸らす。それは私も同じことで。
後ろにトド松が立ってニコニコしている。
何がそんなに面白いのだろう。
チョロ松は私が胸を注視すると頬を赤らめてわたわたと慌て出す。何あれ面白い。
一松は興味無さそうにしている。まあ当たり前のことだが。
チョキン、とハサミの音がする。
どうなるのだろう。首切られたりしないよね?まあ見た限りあのハサミには殺傷能力がないことはうなずけるけど。
おそ松とカラ松は取りに行くものがあるから、とどこかへ行ってしまった。
まぁどうでもいいけど。
少しずつ整っていく髪を見ていく。1本1本は艶のある金髪、これはお金になるからいい。…けれど、傲慢で意地の悪いエドワードを思いだすからあまり見ていたくはない。
いつか、こんな髪も瞳も好きになれる時が、来るのかな。
「…にしてもAちゃんの髪、さらさらだねー。ちゃんとお手入れすればもっと良くなるよ?何のために切っちゃってたのー?」
トド松がおもむろに話しかけてきた。お世辞なんだろうな、別にそこまで髪のことは気にしてないから。
切った理由なら一つしかない。
『…金。髪の色も質ももとより少しだけ良かったから長くなったら切り落として売ってた。』
「…どこで売ってんの?」
一松の質問に固まる。
え、買うの?買いたいの?何のために?買う必要ある?
どこで売ってるかなんて知らないよ?
『…知らない』
「一松…欲しいの…?」
「…さあね?」
呆れたようすのチョロ松と裏の読めない一松の顔。
この人たちを見ていて飽きないのはこんなふうに冗談と言わなくても冗談だとわかるような絆があるから。
こんな絆が欲しかった。
…なんか、喉が乾くなぁ。
十九発目 イメチェン完了!#チョロ松side→←十七発目 おはよう、目覚めはどう?
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れい - おそ松兄さんがいいです!!大好きなんです!更新頑張ってください! (2016年1月16日 19時) (レス) id: 405b985d2c (このIDを非表示/違反報告)
郷 - おそ松オチがいいです!頑張ってください! (2016年1月14日 15時) (レス) id: 98c5b52946 (このIDを非表示/違反報告)
優維 - おそ松がいいです!! いつも面白い作品を、ありがとうございます!! (2016年1月14日 7時) (レス) id: 845e7660f5 (このIDを非表示/違反報告)
ソメイヨシノ(プロフ) - はるさめさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです…!あ、なんか目頭が熱く…(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、良縁がございましたようで何よりです!是非楽しんでくださいね! (2016年1月10日 16時) (レス) id: 55914f348c (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - あなたの作品で占いツクールを知りました!ありがとうございます!! (2016年1月10日 13時) (レス) id: f5fb11865f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソメイヨシノ | 作成日時:2015年12月22日 1時