十六発目 見間違いと勘違い#十四松side ページ20
Aちゃんがパニックを起こしてずーっとずーっとあんな?って人の名前をつぶやいてた。
酷く怯えた様子の君を落ち着かせようと、撫でようと手を伸ばしてみるけれど、強い力で弾かれて拒絶される。
寂しいなぁ。
Aちゃんを見ていると怖い、とか気持ち悪いっていう感情の他に、どこかすごく寂しそうに見える。
あんなって誰なんだろう?
トド松に聞いてみようかな。チョロ松兄さんも知ってるだろうな。2人は物知りだから。
「ねぇトッティ!」
泣いてるトッティに話しかけてみる。
泣きながらも「どうしたの、十四松兄さん」って返してくれるトッティはやっぱり優しい。
「あんなって人、知ってる?」
「……多分、Aちゃんのお家にいたメイドさん。」
メイドさんかぁ。他になにかないかな?
聞きたいけど…チョロ松兄さんは今は怒ってるから聞いちゃダメだよな。
もう一度Aちゃんのそばに行ってみる。
じーっと見つめていると、少し落ち着いたみたいで。
僕の瞳は時折黄色くなる。
任務してる時とか。
それはみんなも同じで、イメージカラーの色になる。
その目でじっと見据えてみる。
Aちゃんは、じーっと僕の顔を見てる。
そして、一言つぶやいた。
『……アンナ?』
へ?十四松……いや、違う。きっと、きっと。Aちゃんはあんなって人と僕を間違えてる。
なんて答えればいいのかな。
なんて言ってあげればいいかな。
そう考えていると、Aちゃんにぎゅってされた。
おお、だいたん…!!
『…アンナ……アンナ…!!ごめんね、ごめんね……アンナ…会いたかった…』
あれ、落ち着いてない。勘違いされたままだ…
「……十四松だけど…」
アンナだと思われてる。僕は僕として抱きしめてほしい。
『黄色い瞳、アンナだよね。アンナの目、久しぶり。ごめんね、アンナ…』
あ、聞こえてない。けど、君の口からこぼれた言葉。
黄色い瞳。
アンナさん、黄色い目なんだ。
なら、僕といっしょだ。
「大丈夫だよ、大丈夫。一人じゃないよ。」
今は撫でられてるけど…きっと、Aちゃんは勘違いに気づけば直ぐに距離をとる。拒絶される。
それがなんか悲しくて、泣きそうになる。
だから、離す。今は、まだダメ。
「…ごめんね。」
気絶させて、ベッドに寝かせた。
気絶させた時に、みんなに怒られたけど…
今は、仕方ない。
ごめんね。
おやすみなさい、おひめさま。
229人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れい - おそ松兄さんがいいです!!大好きなんです!更新頑張ってください! (2016年1月16日 19時) (レス) id: 405b985d2c (このIDを非表示/違反報告)
郷 - おそ松オチがいいです!頑張ってください! (2016年1月14日 15時) (レス) id: 98c5b52946 (このIDを非表示/違反報告)
優維 - おそ松がいいです!! いつも面白い作品を、ありがとうございます!! (2016年1月14日 7時) (レス) id: 845e7660f5 (このIDを非表示/違反報告)
ソメイヨシノ(プロフ) - はるさめさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです…!あ、なんか目頭が熱く…(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、良縁がございましたようで何よりです!是非楽しんでくださいね! (2016年1月10日 16時) (レス) id: 55914f348c (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - あなたの作品で占いツクールを知りました!ありがとうございます!! (2016年1月10日 13時) (レス) id: f5fb11865f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソメイヨシノ | 作成日時:2015年12月22日 1時