十一発目 やりすぎたかも。#カラ松side ページ14
『私に触れないで。』
そう言い放つ彼女の姿は凛々しく、美しかった。しかしその一方で何かから逃げ、怯えているようにも感じられた。
過去に何かを抱えている。それはチョロ松やトド松から聞いた。
だからこそ、触れたいと思った。
拒絶されているのは重々承知している。でも、逃げてばかりじゃぁダメだろう?
君がファミリーに入って君を家に返した後、皆こぞって洋服探し。
俺が選んだものは全部「イタイ」「やめとけクソ松」で即却下。なんかちょっとさみしい。
結局、動きやすそうだがなかなか可愛い服になった。今はボサボサの髪の毛を整えて、返り血全部拭って、綺麗にしてやればかなり似合うと思う。
金色の糸のような髪の毛は撫でてやりたい、梳かしてやりたいと素直に思えた。
それほどまでに美しかった。瞳も、細い腕も、何もかも。
でも君は、Aは、髪を切る、たったそれだけでかなりの拒絶反応をされた。
逃げて、最終的に兄貴に捕まって。
ちょっと耳元で囁かれただけで顔が蒼くなり、歯はガチガチと鳴り、体が震え、目は見開き凍りつき。呼吸も荒く、軽いパニック症状を起こしていた。
そのあと力一杯に兄貴を突き飛ばして、狂ったように泣き続けていた。
とてもじゃないけれど近づけなかった。
兄貴は「あちゃー、振られちゃったかな。」なんて呑気にしていた。それにチョロ松がキレて
「クソ松!!何してんだ!!やりすぎだろどう考えても!!」
と噛み付いていたがおそ松兄さんは「悪い悪い。…でも、小生意気な狼ちゃんはしつけないといけないだろ?」と。
…楽しみすぎだろう、兄貴。多分今回のことでAからかなり距離を取られるだろうことは容易に想像がついた。
『ぁ…アンナ…ごめんなさい、私のせいで、アンナ……』
とうわ言のようにずっと呟く君。アンナ、って一体誰だ?トド松のデータにはそんなやついなかった。
トド松は「僕のせい…?ど、どうしよう、一松兄さん…!!」と泣きそうになっている。お前が泣いたって仕方ないだろ。
一松は呆れたような顔をしている。けれど、内心心配しているはず。優しいやつだからな。
十四松はおそ松とチョロ松の言い合いにおどおどしつつもAをずっと気にかけている。
撫でようと手を近づけては振り払われ、の繰り返し。
俺だけが、どうしたらいいかわからなくて、動けなかった。
俺は、好きになった女さえ支えられずに、見ているだけだった。
誰か教えてくれよ…俺はどうしたらいいんだ?
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れい - おそ松兄さんがいいです!!大好きなんです!更新頑張ってください! (2016年1月16日 19時) (レス) id: 405b985d2c (このIDを非表示/違反報告)
郷 - おそ松オチがいいです!頑張ってください! (2016年1月14日 15時) (レス) id: 98c5b52946 (このIDを非表示/違反報告)
優維 - おそ松がいいです!! いつも面白い作品を、ありがとうございます!! (2016年1月14日 7時) (レス) id: 845e7660f5 (このIDを非表示/違反報告)
ソメイヨシノ(プロフ) - はるさめさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるとすごい嬉しいです…!あ、なんか目頭が熱く…(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、良縁がございましたようで何よりです!是非楽しんでくださいね! (2016年1月10日 16時) (レス) id: 55914f348c (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - あなたの作品で占いツクールを知りました!ありがとうございます!! (2016年1月10日 13時) (レス) id: f5fb11865f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソメイヨシノ | 作成日時:2015年12月22日 1時