【マフィア松】最凶少女と最強六つ子

十発目 身嗜み整えよう？ ページ13

なんだかんだ言って荒らされまくった結果。


テリトリーが広くなって、その上綺麗になった。


猫足バスタブとシャワーのあるお風呂場。

綺麗なキッチン。

必要ないのにドレッサー、クローゼット。

上質なふわふわのソファとベッド。


挙句の果てにはテレビまで。







なんだこれ。




『すごい…不釣合な私…』

こうなるとここに住めなくなる。

まぁ住むけどさ、そこまで気にしてないし。


｢あ、そうだ。僕ねー、はさみとかその他一式持ってきたから髪整えよ？｣

と桃色…トド松に言われた。いや終わったなら帰ってよ。



触らないでって言ったからね。

『いいよこのままで。触れないで。』


｢そうは言ってもさ、可愛い服もあるんだからさぁ…ね？｣

きゅるん、と甘える声を出すトド松。可愛いけど"はい"なんか言ってやんないから。

｢…カラ松兄さん、一松兄さん、取り押さえて。｣

は？

一松とカラ松が頷いてこっち来る。

とりあえず床を蹴って後ろに飛ぶ。後ろがちょうどよく玄関だったからドアを開けて外に出た。

｢なんで逃げちゃうのー？｣

さみしそうなトド松の声。

『話が違う！触れないでって言った！！！あんたらはそれを呑んだ。違う？』


ほんっっとうに触らないでよ。

おそ松からも何かないの？

｢…あー、あれだ。そんな事言ったわ。ほらお前ら、下がれ下がれ。｣

…適当だな長男さんよ。


｢あのさ、洋服とかも持ってきたの。だからさぁ、せめてもの、身嗜み整えよう、Aちゃん？｣

嫌だ、触られるくらいならこのままの方がいい。

『…そんなの、知らない。触られたくない。どうでもいい。』

刹那、おそ松の声が一気に低くなって、耳元で囁かれた。

ぞくっ、と背中に悪寒が走る。


｢…俺、言ったよね。その服と髪やめて、って。それを呑んだのはAちゃん。違う？｣

…怖い。怖い。とにかく今は怖くてたまらない。

ガタガタと身体が震える。声が出ない。体が動かない。


くいっと顎を持ち上げられた。目に映るのは赤い二つの双眸だけ。

その赤色に惹き込まれそうになる。

悪魔のような、妖しげな笑み。

｢…喋るなら、ちゃんと喋って？わかんないよ、俺。｣

怖い、離れたい。触られたく、ない。

嫌な記憶がフラッシュバックする。

９年前の出来事が蘇る。幼かった。そのために９年も１人だったんだ。嫌だ。怖い。

涙が出てくる。

力一杯におそ松を突き飛ばした。

『…ゃ……いや、離して。離れて、触らないでっ………！！』

十一発目 やりすぎたかも。#カラ松side→←九発目 なんかテリトリーすげぇことになった

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