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シュートシティ、バトルタワー前。
そこに、少年は、ひとり佇んでいた。
綺麗な赤みがかった白髪を揺らし、ちらり、と紫の眼でバトルタワーを見上げると、また手元のスマホに目を移した。
人々の目は、彼に吸い寄せられている。
なんせ、彼は、
超絶に顔が良かったのだ。
だから、ただ無表情に佇んでいても、画になる。
・・・本人としては、ただぼーっと立っているだけ、なのだが。
スマホから目を離し、きょろきょろと周りを見渡すと、今度はそのまま遠くを見ている。
彼は、人待ちだった。
相手も忙しいからか、もう約束の時間だというのにまだ来ていない。少し不安を覚える。
・・・傍から見れば、表情には何の変化も見られない。
元々、顔に出にくいのだ。そこに大人しい性格、ときているものだから、とにかく無口、無表情。
まぁ、「そこがまた良い」と言う彼の(かなり面倒臭い類の)ファンは多いわけだが・・・。
と、軽やかな足音が聞こえてきた。すぐに気づき、そちらに目を向ける。
彼の顔は僅かに綻んだ。・・・ような、気がする。
少女『お〜い！遅くなってごめんね、仕事が色々と・・・待ってた？』
ワインレッドの髪に、琥珀色の目をした、彼にそっくりな綺麗な少女。
駆けて来た少女に、首を横に振って、待っていない、と伝える。まぁ、本当は三十分前には着いていたのだが、それを言うのは野暮というものだろう。
少女『それなら良かった。遠かったでしょ？どうやって来たの？』
移動手段を聞かれ、彼は傍らに居た大きな青い鳥のポケモン――――フリーザーの背を、ぽんと叩いた。
少女『・・・え？その子？・・・いや、流石にそれはないでしょ。仮にも準伝説なんだけど・・・』
それにしては目が
彼女は、はぁ、と溜め息を付いてから、ふっと笑った。
少女『やっぱ、流石私の弟だよね・・・
久しぶり、ルナト』
ルナト、と呼ばれた少年は、表情を和らげ、ここで初めて、口を開いた。
『・・・久しぶり。ソルト姉さん』
オマケ
『・・・因みにこの子は、カザハナ。』
ソルト『あ、そうなんだ。どこで捕まえたの？』
『・・・(どこだっけ・・・？)』
ソルト『いや、それは普通忘れなくない！？』
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作者名：竜宮染里 | 作者ホームページ：http://yoru
作成日時：2021年10月23日 21時
