【d!】世界崩壊までのカウントダウン (ページ9)

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甘美ナ　#4 ページ9

あれから約三日間。
グルッペンは医務室で仕事をしたり、食事もそこでとるようにした。
願いが通じたのだろう。

「グル…ちゃん?」
「グリム!」

グリムの口が開き、弱々しい声でグルッペンの名を呼ぶ。
グリムの瞳はまだ虚ろで、グルッペンを映し出しているかはわからない。

「グリム…あぁ、私の事か」

頭を押さえながらグリムは立ち上がる。
フラリとよろける姿に焦ったグルッペンは支えるために立った。

「無理をするな。アリスの方が良いか?呼び方は」
「あぁ。そうしてくれると助かるよ」

グリムと呼んだ時の反応を見てたグルッペンは意地悪そうに笑って言った。
グリムは諦めたようにベットに座り込む。
グルッペンは嬉しそうに目を細めて、グリムの隣に座った。

「そういえば、軍服を渡していなかったな」

言葉で察したしんぺい神は医務室のクローゼットを開けて黒の軍服を取り出した。
グルッペンの軍服と似ているが、違う点としては腕の部分に装飾がない所だろうか。
グルッペンの軍服には右腕を隠すように軽い布がついていて、
それを我々国のマークのバッチで留めている。
グリムは目を光らせて、嬉しそうに笑った。

「ありがとう!なんかお揃いって感じでいいね～」

渡された軍服を抱きしめて、グリムはもう一度ヘラッと笑った。

「うむ。気に入ってくれたんならええわ。アリス」

少しためらいながらも、彼はグリムの本名を呼んだ。
グリムはその様子にまた笑う。
コンコン。と医務室の扉がノックされる。
大人数のようで、がやがやと煩い声が室内にも響く。
しんぺい神が扉を開けると、ゾムがグリムに飛びついた。

「師匠～!」
「ぐふっ」

軍人といえども女。
グリムは衝撃に耐えられずベッドに倒れこみ、変な声を出した。

「おいゾム!グリムは病み上がりやって!」
「シッマ煩いわ…グリム大丈夫か?」
「グリムさん体調はどうですか?」
「無理しないでって前言ったのに…」
「良かった…大丈夫そうやな」

聞き取れるのはここまでで、それ以降はぎゃあぎゃあと騒いでるようにしか聞こえない。

「静かにしないと掘るよ?」

しんぺい神がオーラを纏いながらそう言えば、一瞬で静かになる室内。

「ゾム…服がぐしゃぐしゃになるから離れて」

グリムの頼みにゾムはしぶしぶ離れて、トントンに粛清された。
トントンは盛大にため息を吐いた。