【d!】世界崩壊までのカウントダウン (ページ26)

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真実ヘノ鍵　#1 ページ26

少し時間を巻き戻す。
兄さんとオスマンは途中から合流する形になったので、共に行動していた。
ひとらんらんは場所の特定と救出、グルッペンは情報の強奪、コネシマは敵戦力の消滅、それ以外は陽動に回っている。
しんぺい神は前線に出て、陽動と共に治療を行っている。

「侵入者が多いなぁ」

そんな声とともに、両手剣が頭上から雨のように降ってくる。
床に突き刺さった剣は重量区と侍従で半分床に埋まっている。
まともに食らえば戦闘続行は不可能だろう。

「ははっ！」

笑い声が兄さんの前方で響く。
グルッペンよりも暗めの金髪は短めにそろえてあり、桃色と赤色の境目のような色の瞳は魔法陣と呼ばれるものが映し出されている。
彼は振り回すことさえ難しそうな大剣を背負っている。

「おかわり、欲しいだろ？」

ぱちんと指を鳴らせば無数の剣が出現する。
十本は軽く超えているであろう剣がもう一度雨となり降り注いだ。

「兄さん避けて！」
「くっそ……！」

オスマンの頭上にあった剣も、予想と裏腹に兄さんの方向に飛んでいく。
八方塞がりというのはこのことだろう。
兄さんは丁寧に避けていくが、腕や足に剣がかすり、肉が避けて液体が流れ出る。
その血を操り、彼は防御劇を作った。

「おっと。これは標的ミスったなぁ」

そういいながらも青年は笑って、大剣を鞘から取り出し構えた。

「オスマン、たぶんレイピアじゃ太刀打ちできん。やから能力で……」
「了解」

兄さんは斧を作り出し地面を蹴った。
オスマンはレイピアを使うので力で押し負けてしまうだろう。
で、あるならばとオスマンは青年の攻撃を避けながら頭に触れた。

「それは対策済みですねぇ」
「脳を……いじった？」

瞬間、オスマンの体に走る激痛と、キーンという不快感を煽る耳鳴り。
思わずこぼした言葉に、青年は不敵に笑った。
兄さんの背筋がゾワリと凍り、トラウマが呼び戻される。
周りの人間の死、目の前で飛び散る肉片。
目を奪われるような美しい鮮血。

「違う。機械の力。人間の技術は神に対抗できる力を持つ」

また神という名が出てくる。
兄さんは無表情だが、その言葉に反論する。

「神？それは人間の妄想や。神なんて居るなら、こんな腐った世界とっくに終わらしとるやろ？」
「神は普段は傍観者さ」

青年は力強く吐き捨てた。
その声ににじむ怒りに動揺する。

＜コードα成功！総員集合！＞

爆発音とともにインカムに届く声。
オスマンと兄さんは顔を見合わせた。