【d!】世界崩壊までのカウントダウン (ページ25)

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宣戦布告　#4 ページ25

パァン！という音と同時に銃弾が発射される。その動きを目で捉えて、刀で真っ二つに切断する。
続いて水色の玉がグルグルと高速で回転する。光が玉を包み込むと、光線が発射された。ひとらんらんは刀を一周させ、すべてを弾く。

「その人間離れした能力……月光国の」
「復讐鬼は俺の事だよ？」

無防備な青年の体を貫く。すると、その体は雲散し、球の中へと吸い込まれる。

「分身だよ」

ひとらんらんの背後だった。
その声の主は容赦なく球を投げつける。刀でわろうとすれば光が集まりそれを防ぐ。火花が散って、ひとらんらんは思わず刀を手放す。二本めの刀に手を伸ばすと、それを拒むように無数の手がそこかしこに現れた。攻撃を加えれば、分身のように霧になる。

「光を操っている？」

思わずこぼれた言葉に、紫の青年は口角を上げた。もう一度分身生み出し、攻撃が再開する。
ひとらんらんは分身の攻撃を無視して、本体の攻撃のみ避ける。すると、分身の拳がひとらんらんにダメージを与えた。

(どうして……攻撃が当たった？ただの光なら当たらないはず)

こわばった表情を浮かべ、ひとらんらんはインカムで仲間を呼ぶ。その間も攻撃は継続させる。分身を刀で斬り、青年の攻撃を弾く。

「こちらひとらんらん！地下に人を！」

そうは言うものの、環境が良くないのだ。ほとんど一本道の狭い通路に3人以上は戦えない。青年もそれはわかっているようで、端正な顔が悪い笑みで歪んでいた。
グルグルと球体が回り、強い光となったそれを発射する。ひとらんらんは回避するが、目の前はチカチカと光り、相手を視認できなくなった。

「チェックメイト」
＜コードα成功！総員集合！＞

奥の部屋から爆発音が鳴る。ひとらんらんは隙を見せた青年を蹴り飛ばして、奥の部屋へ走っていく。青年は倒れ込むが、すぐに起きてその後を追う。
バン！
扉を乱暴に開けると、北の最終兵器の三人がいた。キョロキョロと周りを見回すとゾム、グルッペン、トントン、コネシマも集まっている。
七人の視線の先には、カプセルの中で眠るグリムの姿があった。