【d!】世界崩壊までのカウントダウン (ページ24)

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宣戦布告　#3 ページ24

「ルスランドが我々の最後通牒を無視した！よって、我々は宣戦布告を行うものとする！」

グルッペンがテレビに移り、宣戦布告の報告をする。外壁に近い国民には中心部への避難を指示して、被害を最小限にしようとしている。

「我々側にはエングランド、ベルジッカー、ポーレンがいる。次に私の声を聞くときは勝利宣言になるよう祈っていてくれ」

演説が終われば、戦場へ赴くメンバーが門に向かう。
今回残るのはロボロ、シャオロン、鬱先生、エーミールの四人だ。四人は城や国内の防衛をする。ひとらんらんは他のメンバーと一緒に車庫へ向かう。

「ほな行くか」

車にエンジンをかけて発進させる。全員の目は真剣で、武器の手入れや心の準備をする者もいる。どうやら最前線はポーレンの中心部のようで、メンバーは適当な場所に駐車してルスランドの城へと目指す。
やはり数というのは重要な勝因のようで、最前線に北の最終兵器はいなかった。

(とすると、城内に引き籠もってる？)

そうなると非常に厄介で、グリムを救出するにも幹部がいたら苦戦するのは確定、最悪失敗もありうる。
ひとらんらんはロボロの突入の指示を待つ。8人がバラバラの場所から突入する作戦だ。少しでも戦力を分散させ、残った人でグリムの救出を行う作戦。
しかし、本来ならばこれはタブーなのだ。時間との勝負になる。

＜全員の準備完了。突入まで5…4…＞
「解放」

ひとらんらんはそう言って能力を使用する。体にエネルギーが供給され、人間離れした力を引き出す。

＜3…2…1……0！＞

ロボロのカウントが終わると同時にひとらんらんは城に侵入する。走る速度は人間とは思えないほど速く、城の奥へと走り続ける。
ひとらんらんに任されたのはグリムの救出だ。戦闘はできるだけ避けて、情報を集める。

(エントランス……クリア。敵の気配無し)
＜ひとらん！こちらトントン。敵と思われる物音を地下で確認！おそらくそこに！＞

トントンからの報告を受けて、ひとらんらんは地下へと繋がる階段を降りる。走るだけで風を切る音が鳴り、不気味に光るランプを揺らしていく。
警備の兵士が居ない……否、気配だけが在るのだ。

「此処から先は通さないよ」

兄さんよりも明るい紫色の瞳。執事のような服装と、細身の体。右手にはハンドガン、左手には水色の常に光る球体を浮かせている。
ひとらんらんは地面を蹴って刀を振るった。