七話 ページ8
Aはあれから何時ものように土方の部屋に来ていた
「……トシ、昨日はごめん」
「………オラ、これ食えよ」
Aの謝罪を無視し、土方はAの口へと饅頭を押し込んだ
「……む、美味しい、何処の?」
「………知らねェ、そこら辺に落ちてたやつだからな」
その言葉にAは驚きでゴクンと饅頭を飲み込んでしまい焦りから顔が真っ青になった
「んんんんっ!?ええぇえ、本当にっ!?」
「……はっ、嘘に決まってんだろ」
その言葉に安堵するAを見て土方は安心した様な笑みを浮かべた
「……何笑ってんのさ」
「……お前が落ち込んでる顔なんてこっちは見たくもねェんだよ、お前はアホ面してりゃあいい」
酷ぇ、とAが笑うと土方も笑った
「……何度も助けられてるよ、貴方の不器用な優しさに」
Aは土方にそう告げるとゴロリと畳の上に寝転がった
「……ありがとう、トシ」
チラリと反応の無い土方をAは横目で見ると土方の耳が真っ赤に染まっている
それにAは声も出さずに静かに笑うとゆっくりと目を閉じた
「……ふぁぁあ、眠いなぁ…」
「……ったく、少しは俺を見習って働きやがれ」
「………ガンバリマス……」
そんな会話をしている内にAからスゥスゥという規則的な呼吸が聞こえてきた
その音に土方は後ろを振り返った
見るとAは穏やかな表情で眠っていた
そのAの表情に土方は満足そうに笑うとAに毛布を掛けて仕事を進めていくのだった
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作者名:マピト | 作成日時:2018年4月14日 13時