三十話 ページ32
「……疲れたぁぁぁ、トシィィ」
「………んだよ」
Aが沖田から解放され、土方の部屋へ向かうと、何故だか不機嫌な様子の土方が待っていた
「……ご機嫌斜めかな?」
Aが苦笑いをしながらそう言うと、土方は更に眉間の皺を濃くしている
「……テメェ、俺のとこに来るまでどこにいやがった?まさか他の男の部屋に居たんじゃねェだろうなァ」
「……う、ち、違うよ!総悟と、お話してた!」
慌ててAが弁解すると、土方は信じていない様子でAのことを疑う眼差しで見つめている
だがAも真選組で、しかもまさか沖田の部屋でコスプレをしていただなんて言える筈もなく、必死でごまかそうとしていた
そうごまかしている内にAはある疑問をふと抱いた
それは土方が突かれると、とても痛い所であった
「というか私が他の男性の部屋に居てもいいんじゃないかなぁ……」
ポツリとAが呟いた瞬間、土方はビクリと体を強ばらせると、鬼の形相でAのことを押し倒した
「ぅわぁっ、ど、どしたの、トシ」
「……お前、間違っても真選組の俺以外の男の部屋には行くなよ?もしお前みてぇな小せェ仔犬が一人で行ったりなんかしたら犯される、絶ってェ犯されるからな!?」
「……っ、ひゃうぅ……!」
Aが土方の不吉な言葉に涙目になりながらも頷くと、土方は満足そうな顔をしてAを抱き締めた
「トシ、だって、男っ」
Aが土方に抱き締められながらそう言うと土方は悔しそうに顔を背けてからボソリと答えた
「………俺はヘタレだからいいんだよ」
「………ふはっ、何、ソレ」
Aがおかしそうに笑うのを見ながら、土方はヘタレ卒業を目標にするのであった
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作者名:マピト | 作成日時:2018年4月14日 13時