新学期 ページ46
あっという間に終わった夏休み。
ほとんど毎日と言っていいほど、
樹と慎太郎とジェシーはあたしの家にいたし、
きょもも高地だって樹たち程ではないけど
顔を出しに家に来てた。
そして、北斗はというと。
あたしの家の2階にある書斎に引きこもり。
北斗も樹たち程ではないけど、
頻繁に家にやって来ては1日の大半を
書斎で過ごして帰っていく。
あたしもたまにしか入らない部屋。
だけど確かに蔵書はたくさんあるから
きっと読書好きな北斗にとって居心地が良いのだろう。
夏休みの間、自分の家に帰らなくて良いのかと
心配になるくらい遊びに来ていた彼ら。
そんな6人と今日から新学期が始まる。
ジ「緋織〜〜〜〜〜！！！！」
慎「久しぶりぃ〜〜〜！！」
「……今度は何の遊び？」
全然久しぶりじゃないのに
やたらハイテンションで新学期早々騒ぐ2人。
ジ「女子の再会ごっこ〜」
慎「こんなんするじゃん？きゃぁ！って」
高「新学期くらい落ち着けよお前ら…」
ジ「やだっ！コーチ〜〜久しぶりぃ〜！！」
慎「なぁに？ちょっと痩せたんじゃなぁい〜？？」
高「……もう！2人とも！痩せてなんかないわよ〜」
ジ「えっ、高地…あ、そうなんだ…」
慎「なんか高地…雰囲気変わったね…」
高「いやこの流れおかしいだろ！おい！」
き「てか、樹いなくね？」
北「樹は安定の寝坊だな、」
「電話で起きるかな？」
ジ「うわっ俺も緋織のモーニングコールで目覚めたい！」
慎「緋織、今度俺にもしてよモーニングコール！」
「絶対やだ」
だって絶対寝たフリとかして
あたしを困らせるに決まってる。
そして結局。
新学期早々、安定の寝坊で大遅刻した樹が
先生に怒られもしない程呆れられたのは言うまでもない。
始業式だけですぐに終わった、
まだ少し暑さの残る9月の初め。
「ねぇ、みんな。アイス食べて帰らない？」
慎「おっ！乗った〜！」
ジ「やった〜高地のおごりぃ〜！！」
き「え、まじ！？やった！！！！」
高「おい！誰がそんな事言ったよ！？」
樹「高地奢りたそうな顔してたもんな〜」
北「それどんな顔？…高地もう一回その顔やって？」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ彼らの背中を見ながら
なんだか少し泣きそうになる。
出会ってまだ3ヶ月。
だけどあたしにとって彼らは既に宝物になっていて。
北「緋織、早く来ないと置いてくよー？」
あたしは彼らに向かって駆け出した。
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作者名：hiori | 作成日時：2019年10月3日 2時
