学園の王子様が毎日図書室にやって来る件。【文スト】

26冊目 ページ26

太宰視点

次の日___不安な気持ちを抱え、図書室にやって来た。














誤解をさせてしまっているかもだから、
それを解くため。














だが、図書室には誰もいなかった。














「……Aさん？」














何となく予想はしてた。


誰もいないのだから、
呼び掛けても返事が無いのも分かってる。


でも、諦めきれない。














〜『ごめん、聞きたくない』〜




　









未だに意味が分からない。














私に好きな人がいると明かした時の不安そうな表情。

女子生徒が去った後、振り向かず、素っ気なかった返事。

私の好きな人を聞きたくない。














……もしかして、否、でも、可能性はある。














Aさんは、私に惚れているのか？


＊＊＊
A視点

私は、今日、図書室に行かなかった。

行けなかった。














太宰君のことだ。






　


　




私は、何故、彼が告白されたと知った時、
不安になったのか。

何故、女子生徒に太宰君が私を好きと言われた時、
少し、心が舞い踊ったのか。

何故、こんなにも私は______________________



















______苦しいのか。














〜『ごめん、聞きたくない』〜














私、もしや、














〜「なら、惚れさせなきゃね」〜








　





太宰君に、惚れてしまったのでは……？

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