兄が面倒臭すぎる。【文スト】【仮完結】

#10　兄は嫉妬深い ページ10

※妹夢主ちゃんとモブの絡み長めです※

＊＊＊



兄は、シスコンとかいうレベルを超えてると思う。
そう改めて感じたのが今日であった。

今日の帰り道。



「太宰さん！太宰Aさん！！」



そう少年の声がした。
振り替えれば、うちの高校の学生服を来た同級生が走ってきていた。

何か用があるのかなと思い、足を止める。

彼は私に追い付き、息切れしながら私を見る。



『……あの、如何したんですか……？』

「いやー特に何があったとかじゃなくて……。
　帰ってる時によく太宰さん見るから。
　帰る方向同じなら、一緒にと思ってさ」



彼は、少し照れ臭そうに笑った。
あどけない少年らしい笑みである。

何だかんだ、人見知りなので、
出来ればそっとしてほしいものだが。

そんなこと、言える筈もない。

私は仕方なく彼と帰った。


＊＊＊


やっと社員寮につき、扉を開けた。



『ただい………げっ』

「お兄ちゃんに向かって、“げっ”とは何だい？
　“げっ”とは。ねぇ？A？」



すると玄関には、兄がにっこりと裏のある笑顔で微笑み、腕を組んで仁王立ちしていた。

そもそもこの時間は探偵社定時過ぎてない筈だけど、サボりだな。多分。



「ねぇ。聞きたいのだけど。
　今日一緒に帰ってた男、誰？彼氏？」



あー死ぬほど面倒臭い。

この嫉妬深いモードに入った兄は実に面倒である。
妹にも関わらず、私に執着し、私を溺愛する兄は、
勿論私が知らない男と話したり、挨拶したりするだけで色々言ってくる。

例え知っている男でも、兄からの視線は感じるが。

兄が元ポートマフィアというのもあり、シスコン慣れっ子である私でもこの圧は地味に怖い。



「ねぇ……如何なの」



おっと、笑顔すらも無くなった。



＊＊＊

＜作者から＞
・なんとなーく感じてしまったので言いたいのですが、太宰さん(兄)は、女性のお方にモテモテじゃないですか。
そうなると、太宰さん(兄)と似た美形の妹夢主ちゃんは男女問わずモテそうだと感じてしまった……。

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