兄が面倒臭すぎる。【文スト】【仮完結】

#05　兄は意識されたい ページ5

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「ねぇ、ちょっとまって。
　仕事よりも私見て」

『終わったらね』

「絶対態とゆっくりやるでしょ！？」



それでも、兄は続けた。



「一応言っておくが、私は君の実の兄だからね！
　愛する妹に兄だと意識して貰えない……！

　お兄ちゃんとして、これ程悲しい事は無い！」



お兄ちゃん呼びゴリ押すなぁ………。
其処までして呼ばれたいし、意識されたいのか。



『…そもそも妹にガチ告白する兄、
　誰も実の兄だなんて思わなくない？』

「仕方がないじゃない。私の妹だよ？
　A、滅茶苦茶可愛いんだもん」

『それ、しれっと自分も褒めてるよね』

「ねぇ！ていうか話を戻すけどさぁ！！」



おぉ、面倒臭くなったきたぞ。
帰りたいな。

あ、駄目だ。帰ってコイツ居る。
意味ないな。兄ガチャ完全にミスってる。



「お兄ちゃんって………呼んで？」

『えぇ……』



私は考えた。
彼をお兄ちゃんなど死んでも呼ぶ気など無かった。

だがしかし、何か条件をつけようか。

私が今、困っていること………。
私は、チラリと兄の机にある書類の束が目に入る。

あれは予定日迄に片付かなければ、国木田さんや私が基本片付けている。

因みに、それは滅茶苦茶大変。



『分かった。良いよ』

「え、本当に！？」

『だけど、あの書類全部片付けてからね』

「………」



兄はガクッと膝から崩れ落ちた。



「さ、流石は私の妹………」



嬉しがっているが、悔しがっていもいる。
まぁ、あの量じゃあ呼ばれる日が来るのは無さそうだな。



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