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#03 兄は離れたくない ページ3

***



朝。目がゆっくりと覚めれば、見慣れた天井。
其処は、武装探偵社の寮であった。

今の季節にしては、やたらと暑苦しい。
悪いのは、天気でも気温でもエアコンでもない。

チラリと隣を見れば、自分専用の布団があるにも関わらず、私の布団に無理矢理入り、満足気に微笑みながら私に抱きついて寝ている兄。

暑苦しいのはコイツのせい。

私は、兄の頭を軽く叩きながら起こす。



『ねぇ、起きて。暑いんだけど』

「んー?いいの〜?」

『何言ってんの』



私は、兄を剥がそうとするが、
今回に限って全く剥がれない。

こんなひょろひょろ体型の何処からこんな馬鹿力が出てくると言うんだ。

私は、携帯のタイマーを開き、音を最強にし、
兄の耳に近付ける。

すると、滅茶苦茶五月蝿く、古く壁が薄い寮ならば完全に近所迷惑な、携帯が出せる最大限の音が兄の耳の上で鳴った。



「うわぁあ!?」



流石に驚いたのか、飛び起きる兄。
次は私が満足気に笑う。

タイマーを止め、顔を洗いに行こうと立ち上がれば。



『ん?』



ガシッと腕を掴まれる。
見てみればやはり兄。



「何処行くの?」

『顔洗いにだけど』

「駄目!!!」



言い返す前に、兄は思い切り抱き付いてくる。
思わず倒れてしまった。

振り出しに戻ってしまった…………。



『離れてよ』

「無理。私A居なきゃ死んじゃう」

『そうですか。はい離れて』

「離れたくない!
 起きたら仕事に行かなきゃいけない!
 Aは学校に行く!

 私が探偵社で君の居ない時間、
 どれだけ苦痛か分かる!?」

『分からん』



私は、兄の頭をベシッと叩いた。

その日は結局いつも通り、国木田さんがやって来て兄は探偵社へと連れてかれた。



***

#04 兄は呼ばれたい→←#02 兄と設定



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新・太宰の包帯希望者 - 完結おめです!作者様の小説神すぎてもう明太子になりそうです)))前の端末壊れたのでここで書きますね!様々な面で頑張ってください! (4月9日 12時) (レス) id: 510377e956 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - 敦くんのほうの話でもコメントさせていただいたんですけど、本当にそこら辺の壁さんの作品は見るのが楽しくて、私の癒やしでした。最後まで面白い作品をありがとうございました。もし帰ってこられたら、またそのときは読みたいと思います。 (4月8日 18時) (レス) @page29 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!そして数々の神作品をありがとうございました!!またいつでも書いてください!!絶対読みます!!! (4月8日 18時) (レス) @page29 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 6枚切りさん» いえいえ〜!気にいって頂けて良かったです!ありがとうございました! (3月29日 6時) (レス) @page16 id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
6枚切り - そこら辺の壁さん» ありがとうございます!!最高でした😭🙏また機会があればお願いします!!! (3月28日 14時) (レス) id: ef31847629 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月16日 9時

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