恋して 20日 ページ21
***
普段から“可愛い”、“綺麗”と言うような印象のAさん。
それでも、何だか格好良い部分もある気がした。
改めて好きという感情を思い知り、
彼女を目で追うようになる。
書類仕事も早いし、探偵社だけじゃなく警察や軍警から信頼も厚い様だった。
好きの中には、憧れも含まれていた。
僕もいつか、ああなりたい。
そんな思いも持って今日も仕事に取り掛かる。
***
朝の8時。
Aさんの出社時間。
毎日の目標は、彼女に挨拶をすること。
いつもピッタリに来る彼女は、過ぎても来ない。
やがて10分、20分、30分……時間は過ぎて行く。
いつまで経っても来ない。
「あの……国木田さん」
「なんだ?」
「Aさんって、今日休みですか?」
「否、何も聞いていないな………。
Aが此処まで遅刻する事はほぼ無いが……」
それと同時に活発な機械音がした。
それは、探偵社の電話だった。
慌てて受話器を取り、電話に向かって声をかける。
「もしもし?武装探偵社です」
そうやって声をかければ、勿論返事は返ってくる。
年寄りの老人の声だった。
《もしもし?探偵社さんかい?
こちらヨコハマ病院だけど》
「お電話ありがとうございます。
依頼ですか?」
《否、そちらの調査員さんがうちに運ばれてきたんだよ。大きな怪我をしていてね。
艶々した髪で白い肌の綺麗な人さ》
その時、僕の中に大きく広い不安が広がる。
うちの調査員。
艶々した髪。
白い肌。
綺麗な人。
僕には、思い当たる人がいた。
Aさん。
頭が真っ白になる。
何も考えられない。
《もしもし?おーい、もしもしー?》
「っ、今向かいます!!」
電話主の声も待たぬまま、僕は探偵社を飛び出した。
「おい敦!如何した!!」
呼び止める国木田さんの声や落ちる書類の音。
それが聞こえても、足は止まらなかった。
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推し丸様☆(プロフ) - 敦くんの話、最後まで良かったです!読むのがすごく楽しかったです!作者さんが活動休止、辞めるということはさみしいし、とても悲しいですけれど、最後まで連載、無理しない程度に頑張ってください!ずっと応援しています! (4月7日 21時) (レス) @page32 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主様がお休み?になるのは寂しいですが、もう一方の連載も頑張ってください!!!楽しみにしてます!!お体には気をつけて!! (4月7日 20時) (レス) @page32 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 推し丸様☆さん» いえいえ!此方こそご許可ありがとうございました!お互い、頑張りましょうね! (3月29日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
推し丸様☆(プロフ) - そこら辺の壁さん!宣伝ありがとうございます✨もっともっと、楽しいなと思っていただけるよう頑張りますので、どうかあたたかく見守っていただけたらと思います!(*˘︶˘*).。.:*♡ (3月29日 21時) (レス) @page20 id: a7c7bf6202 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - wakaさん» コメントありがとうございます!時々waka様にはコメントをいただけて、凄く励みになっております!これからも応援よろしくお願いします! (3月20日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そこら辺の壁 | 作成日時:2024年3月15日 21時